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2015年12月18日

疑問だらけ!・安倍税制「改革」
消費税あげて法人税引き下げ

「選挙目当ての愚策」の声

法人税減税/大企業内部留保さらに増大

 政府と自民・公明両党は来年度に法人税の実効税率引き下げを決めました。現在の32%台(国税と地方税の合計)を20%台に引き下げる方針です。

 安倍首相は「企業の投資拡大や賃上げの後押しをするため」と主張しますが、国民にはピンときません。大企業は膨大な内部留保をため込んでいて、減税分はさらにため込みを増やすだけだからです。

日本の法人税高い?

 政府は「日本の法人税は諸外国より高い」といいます。しかし、見落としてはいけないのは、法人税の課税ベースです。日本ではさまざまな税控除があり、課税対象はとても小さいのです【図(1)】。減税するなら、この課税ベースを諸外国並みに拡大することが必要です。
 そもそも減税の恩恵を受けるのは、大企業を中心とした約3割の黒字企業だけです。中小・零細企業にとっては、どんなに赤字でも納税義務がある消費税の方こそ、減税してほしいというのが偽らざる気持ちです。

軽減税率/低所得でもやっぱり負担増/「軽減税率」で逆進性緩和できず

 自公両党は先ごろ、消費税率を10%に引き上げた時(2017年4月)の軽減税率(8%据え置き)に合意しました。生鮮食品に加えて加工食品も対象にする考えで、約1兆円分に相当するといわれています。
 これに対し、研究者らでつくる「民間税調」の三木義一青山学院大学教授は次のように批判しています。

逆進性、緩和できず

 「選挙目当ての、愚策以外のなにものでもない。消費税には低所得層の負担がより重くなるという逆進性があるが、軽減税率で逆進性を緩和できないことは、もはや常識だ」

 三木教授らが示した試算【図(2)】では、食品だけを非課税にしても、低所得層を含む全階層で同様に消費税負担が増えます。

 食品を8%に据え置いたとしても、全体として「消費税10%」による負担増が重くのしかかってくるということ。食品にこだわるなら、欧州諸国の多くが採用している「ゼロ税率」(税率ゼロパーセント)にするなどの対策が必要です。〈連合通信〉

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