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2015年11月27日

この選択は明らかに誤りだ
大阪ダブル選挙結果

神戸大学名誉教授 二宮厚美さん

 11月22日に投開票された大阪府知事選と大阪市長選のダブル選挙で、いずれも「大阪維新の会」候補が圧勝した。勝因をどうみるのか、今後、橋下徹氏が狙う全国進出によって日本の政治はどうなるのかについて、二宮厚美・神戸大学名誉教授に話を聞いた。

 今回の府民と市民の選択は誤りだと言わなければならない。かつてドイツ国民は、ヒットラーの国家社会主義は資本主義を打倒するものだと錯覚し、その後誤りに気付いた。今回の選挙でも橋下氏らの改革姿勢に多くの人が幻想を持ったわけだが、それは誤りだ。

▼いまだに強い改革幻想

 なぜ誤った判断をしてしまったのだろうか。その背景として僕は大阪に固有の政治的貧困状況があると思いますね。特に大阪市民は橋下氏が登場するずっと以前から、市政や行政から疎外されてきた。共産党を除くオール与党体制の下で福祉や教育といった公共部門が破壊され、「自分は市政とは無縁」という意識が定着していった。市政への不信感も増幅したのである。

 そうした不信感は、橋下氏が知事になって以降、府政にも広がった。不信感を煽りながら、それを改革するのは自分たちだと言い、改革を邪魔する勢力を既得権益者だと攻撃し続けた。

 市民と府民はそうした改革者の幻想を抱かされてきた。改革といっても、8年間を検証すれば分かるが、何も実績、成果はない。皆無と言ってもいい。

 今回の選挙では、その幻想に加えて、引退への「はなむけ票」も獲得したのだと思う。

▼安倍政治とは違う?

 大阪の内外で、特に外の人々からは維新圧勝という結果にショックを受けたという反応が少なくない。
 というのも、全国的には戦争法反対を契機に憲法破壊の安倍政治に対し、かつてない批判が高まっていたからだ。今や斜陽になり、追い詰められている安倍政治と同じ路線上にある橋下政治がなぜかくも復活してくるのか。全く理解できないという指摘である。

 橋下氏は、安倍政治とは違うのだという主張を展開していた。本当は加担していると言ってもいいはずなのに、違いを強調する。「副首都構想」を打ち出して、大阪を東京に対抗できる都市にするのだと、大阪を売り物にして訴えた。

▼全国では通用せず

 問題は、こうした大阪を中心とする主張が全国レベルで受け入れられるどうかである。既に「都構想」に対しても、京都や奈良、堺といった近隣の自治体には共感が広がらなかった。大阪を中心に考える政策では周辺は迷惑なだけということである。

 だから、大阪で圧勝したから全国に広がるかといえば、そうではないだろう。今回は大阪限定の勝利であり、全国ではむしろその反動が起きるのではないか。

 橋下氏はいずれ国政に出てくると思う。しかし、国政でもヒーローになれるのか、自らの勢力を維持できるのかどうか。大阪を強調してつかみ取った勝利は、逆に全国レベルでは裏目に出ざるを得ないと思う。〈連合通信〉

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