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2015年10月23日

権力の暴走から「個人の尊厳守る」を結集軸に
中野晃一・上智大教授

同じベクトルで野党共闘を

 戦争法の廃止をめぐり、来年夏の参院選挙での野党共闘のあり方がにわかに注目を集めている。反対運動の中心的役割を担った、政治学者の中野晃一上智大学教授が10月19日、民主党議員らでつくる立憲フォーラム主催の会合で講演。「国家権力の暴走から個人の尊厳を守るという点で合意できるのではないか」と野党の結集軸を提示した。

 戦争法反対の運動は空前の盛り上がりを見せ、60年安保以来とも評された。当初は、立憲主義が踏みにじられることへの抗議だったが、女性が声をあげ始めたことで、平和を強く求める運動に変わったという。

 「ママの会」が「誰の子どもも殺させない」、札幌の女性が「戦争したくなくて震える」と訴え、反響を呼んだ。中野教授は「弱さを引き受け、殺される側にいる自分が『銃口を向ける側にいてはいけない』と声をあげたことが共感を広げた」と見る。各種世論調査でも、女性の安倍政権を見る目は厳しい。

 1990年の湾岸戦争以降、「一国平和主義でいいのか」と声高に叫ばれ、反戦平和を求める運動は守勢に立たされてきた。今、攻めの姿勢に転じるべき――と教授は強調する。その結集軸として提案するのが、「個人の尊厳を守り、国家権力の暴走を許さない」という合意だ。

 既に、運動を支えた「総がかり行動」では、長らく反目し合ってきた勢力が協力し合うまでに、共闘は成熟している。次が野党間のすり合わせ。できることから始めることが必要だが、「ただし方向性が同じでなければならない」とくぎを刺し、こう言う。

「(民主党政権は)菅さんでおかしくなり、野田政権で『自民党野田派』のようになってしまった。こういうのはダメで、ベクトルはしっかりしなければならない。第二自民党など誰も望んではいない」

 安保国会では、民主党議員も世論に押され、粘り腰の抵抗を貫いた。しかし、当時鳴りを潜めていた同党の議員が、「成立」後に発言し始め、野党共闘に冷や水を浴びせている。

 教授は「あの時どこにいたのか分からない議員たちが、今さらいけしゃあしゃあと出てきている。そういうところに主導権を奪われてはいけない」と述べ、さらに運動を強め広げていくことが必要と激励した。

「戦争法廃止へ野党は共闘を」シールズが渋谷で集会

 若者グループSEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)が戦争法廃止を訴えようと、10月18日に東京のJR渋谷駅前で集会を開いた。若者だけでなく、さまざまな世代の市民が駈け付け、駅前は人でぎっしり。法廃止に向けて「野党は共闘!」とのコールを繰り返した。

 集会では、メンバーと野党議員(民主、維新、共産、生活、社民)がスピーチする形で進められ、要所要所でコールを唱和した。

 「戦争法可決のクーデターを元に戻すため、廃止法案を出そう」(社民党の福島瑞穂副党首)、「皆さんのおかげで共産党は脱皮した。野党は政策の違いを言っている場合じゃない。選挙で協力するしかない」(共産党の小池晃副委員長)、「野党は協力して安倍政権を倒さなければならない。野党結集に向けて声を上げてほしい」(民主党の福山哲郎幹事長代理)などと訴えた。

 高校3年生の「りゅーき」さんは、「これまで民主主義を放り出していたから、こんな危機的な状況になったのではないか。いま学校でも戦争法やデモが話題になり始めた。自分で意見を持ち、発信することが大切であり、行動が問われる。来年の参院選挙では自分の一票をむだにはしない」と述べ、大きな拍手を受けていた。〈連声通信〉。

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