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2015年10月02日

必要なサービスが受けられない!
介護保険制度改定から半年

―保険料・利用者負担もアップ―

 今年4月に改定された介護保険制度。利用者の負担増やサービスの縮小などによって、高齢者が必要な介護サービスを受けられない事態が起きています。また保険料の値上げも高齢者を苦しめています。

▲2割負担「利用やめた」

 介護サービスの利用料はこれまで、収入にかかわらず一律1割でしたが、8月からは一定の収入がある人は2割負担に。都内にある介護老人保健施設に入所していたAさんは、利用料が月11万円から15万円に跳ね上がりました。
 政府は「負担能力に応じて」と言いますが、年金が頼りの高齢者にとっては酷な話です。
 東京北部の、あるデイサービス施設では利用者350人のうち20人が2割負担に。このうち2人が利用を中止しました。こうした事態に、施設職員からは「今後、デイサービスを受けたくても受けられない『デイサービス難民』がうまれるのでは」と危惧する声が上がっています。

▲待っても特養に入れない!

 施設不足や長期の入所待ちが深刻化している特別養護老人ホームへの入所が、「要介護3」以上に限定されました。
 これによって、従来は入所可能だった「要介護1、2」の高齢者は排除されることになりました。高齢者の中には一人暮らしの人も少なくなく、急病への対応や「孤独死」増加が懸念されています。

 要支援者に対する介護予防サービスのうち、訪問介護(自宅での入浴や掃除、料理などのサービス)と、通所介護(施設に通いリハビリや入浴介助などを受けるサービス)は、市区町村による支援事業に移行。

・サービスに地域格差

 「地域の実情に応じたサービスができる」ともいわれますが、多くの自治体は財政難を抱えているため、地域によって利用できるサービスや費用にばらつきが出てくるのは必至です。

 ある介護関係者は「安易なボランティアの利用など安上がりな介護が心配」と語ります。

▲報酬引き下げで施設閉鎖も

 3年に一度の介護保険料の改定もありました。県庁所在地や政令指定市、東京23区を対象とした調査によると、今年4月以降の保険料は74自治体のうち21自治体が6000円を突破。45自治体が500円以上アップしました。厚生労働省によると、10年後には保険料が全国平均で8200円にも達します。

 一方、9年ぶりの介護報酬引き下げ(2・27%)によって、介護事業所は厳しい運営を強いられ、小規模施設ではサービスの質を落としたり、閉鎖が相次ぎました。

 介護予防サービスは報酬単価が20%も下がり、入浴サービスをなくす、リハビリ回数を減らすなど利用を制限する施設もあります。〈連合通信〉 

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