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スキル上げても空しいだけ |
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翻訳業務派遣の女性 |
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「派遣会社も派遣先企業も、労働者の専門性や能力をまともに評価できていない。安ければいいと考えているだけ」 専門業務派遣で翻訳、通訳の仕事を約15年続ける女性(54)はこう訴える。 外資系企業などで約11年間正社員として勤めた後に海外学士留学し、帰国後に大阪で翻訳関係の仕事を始めた。在宅勤務で翻訳の経験を積み、派遣として働き始めた。 これまでに、会社の都合で3回派遣切りに遭った。 1カ月更新で始まった派遣先では、最終的に4年間勤めた。社員のリストラによって業務量が増え、契約終了前には当初の2~3倍になった。時給は上がったが、担当者からは「これ以上時給が上がると派遣を雇うメリットがない」と言われた。最終的に、さらなるリストラのため職場の派遣社員はすべて契約を切られた。 その後一年近く仕事がなかった。東京に比べ英語関連の仕事が少ない大阪だが、2001年の米国同時多発テロの後はさらに少なくなっていた。後に派遣された外資系子会社では「長くいてほしい」と言われていたのに、リーマンショックの影響を受け9カ月で派遣切りに。その後1年半ほど勤めた派遣先でも、「構造改革」の名のもとに派遣社員は全員契約終了となった。 ▼派遣先は人材選び放題 個人的に翻訳技術のスキルアップに勤めてきたつもり。それでも時給は下がり続けている。 「高い能力を持っていたにせよ、派遣会社も派遣先もその能力を判断できない」と女性は指摘し、低賃金化の背景をこう説明した。「需要と供給で一つの仕事に数社の派遣会社が群がる。派遣会社でその仕事の候補に選ばれても、経歴や面談で、他社の候補者に決まる場合も多い。いくら能力を持っていてもそれは評価されず、年齢が高くなるほど不利になる」。長期にわたるデフレの影響もあり、受け入れ先企業は安い時給で人材を選び放題の状況だという。「『安ければいい』との考えで、ひどい場合では時給1000円など、一般派遣と変わらない条件が横行している」と女性は訴えた。 ▼ハケンをなくして! 今回の法「改正」については、「派遣先に何の義務もペナルティーもないのに、(雇用安定措置で)3年後に正社員化するはずがない。特に年齢が高いほど正社員の可能性はゼロ」とバッサリ。「本来『臨時的・一時的』なはずのハケンが、長期間にわたり労働者の不安定な生活を助長している。ハケンという業態自体をなくしてほしい」と力を込めた。(連合通信) |
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