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政府は派遣労働者の声を聞け |
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自民・公明が12日委員会採決ねらう |
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衆院厚生労働委員会の労働者派遣法「改正」審議が緊迫するなか、派遣で働く複数の当事者が「廃案」を訴える緊急の集会が6月9日、国会内で開かれた。インターネットでのアンケートや、労働相談に回答を寄せた人らを招いたもので、「生存権が奪われる」「ますますモノ扱いになる」との切実な実情が語られた。集会は日本労働弁護団の主催。 派遣法「改正」案は5月中の衆院通過という当初の予定が、厚労省の虚偽ペーパー問題などで崩れ、厚労委員会はさらに年金の個人情報流出問題で紛糾している。維新と与党との修正協議も報じられており、今週中の強行採決が懸念されている。 集会では、派遣で生計を立てている労働者が、改正により生活の糧を失う不安を次々に語り、当事者の声を聞かない法「改正」に怒りをぶつけた。リーマンショック時に「派遣切り」に遭った女性は、派遣会社のビジネスチャンスを広げる「改正」案の内容に、「これは派遣労働者保護法ではなく、人材派遣業界保護法だ」と厳しく批判した。 労働組合からは、全労連の井上久事務局長、全労協の代表、連合の安永貴夫副事務局長らがあいさつ。安永副事務局長は「成立阻止へ総力をあげる」と述べ、派遣労働者への連帯を表明した。 ▼怒り生み出す働き方/Web制作・40代女性 以前6社の大手企業に計4年程派遣されていましたが、全ての会社で事前面接がありました。労働者の「特定」を目的とする行為は現行法で禁止されています。現在の派遣業者はほぼすべてがそれを行っています。3年ごとに雇い止めされ面接試験を繰り返すことがどれだけ負担になるか理解できないのでしょうか。 ハケンという差別的な身分が固定化し、使い捨てにされる状況です。机を並べて同じ仕事をしているのに「派遣vs正社員」の対立が起き、これ以上非正規労働者が増えていけば、職場の雰囲気が白けたものになります。 働けば働くほど、会社や派遣法に対する怒りが大きくなってきてしまっています。かつて秋葉原で無差別殺傷事件がありましたが、第2、第3の事件が起きてもおかしくないと本気で思っています。法「改正」を絶対に阻止したい。 ▼生存権奪う制度/システム運用・50代女性 契約社員として7年勤めていた会社を2013年に雇い止めされ、同じ会社に専門業務(システム運用)で派遣されています。 08年に5年生存率38%のガンの手術を受け、今のところ再発もなく働けていますが、体力的にもハンディがあり厳しい状況です。雇用形態が変わり年休はいったんゼロになりました。 仕事内容は正社員と同じ。「この仕事を失ったら次はない」と思い必死で働いてきましたが、無理がたたって約1年前に敗血症でひと月入院しました。 こんな法案を通すなら、派遣で働く人全員に妥当な処遇で正社員の道を保障してほしい。派遣という生存権を失わせるような制度は絶対に反対です。 ▼失業不安で土日も仕事/理科系研究職・30代女性 大学卒業後正社員の仕事が見つからず、20代から15年以上派遣で働いています。30歳前で出産。栄養士の資格を生かし、理科系研究職の仕事で1年から3年の短期の仕事を繰り返してきました。4社目でようやく長期間の勤務が前提の今の専門業務派遣の仕事に就き、3年目を迎えます。 法「改正」されれば、3年後に雇い止めとなります。年齢も40歳をこえ、研究職の仕事はもう見つからないかもしれない。不安にさいなまれ、先月から土日に日雇い派遣を始めました。今の職場を失っても、食いつなげるようにするためです。 私はシングルマザーで、子どもは小学生です。子どもが安定して育つためには、母親も安定していなければなりません。「3年で雇い止め」という変なルール「改正」案はどうしてもやめてほしい。 ▼職業選択の自由返して/30代女性・専門職派遣 福岡県から来ました。広告デザインの仕事をするため、働きながら学校に行き技術を身に付けました。求人では「イラストレーター」というパソコンソフトの知識が求められ、学費に加え最新の機材などで30万円以上の費用がかかりました。未経験でもいい求人を探し、やっとの思いで今の仕事を見つけました。 なぜわざわざ3年で打ち止めにするのか。努力した人が不利になる法案です。「派遣でもいいから長期で働きたい」と考える人の、職業を選択する自由を奪わないでほしい。 ▼「3年でクビ」は最悪/コールセンター・40代女性 専門業務派遣としてコールセンターで1年5カ月働いています。職場では派遣法について話題にならず、ツイッターで検索して緊急アンケートを知り、この場に来ました。 年金暮らしの母と2人で暮らしています。決してぜいたくはしていませんが、税金を払うのがやっとの生活です。本当は正社員として働きたいのですが、リーマンショック以降雇用が厳しく、今の派遣の仕事を選びました。 しかし、今回の法「改正」のことを派遣元の営業担当に聞いたら、「法律が成立したら、今の職場で働き続けることは難しい」と言われてしまいました。 「一生ハケン」は嫌ですが、もっと嫌なのは3年ごとにクビを切られて、転職活動をし続けなければいけないことです。 ▼私の人生はモノじゃない/事務職・50代女性 「事務用機器操作」の専門業務派遣として15年以上働いていますが、実際には資料整理などの庶務・雑務がほとんどです。休日出勤や月100時間以上の残業をする時期もあり、過労により救急車で運ばれたこともありました。 しかし今回の法「改正」で3年後にはお払い箱になるでしょう。派遣先の社長に「3年後どうなるのか」と聞いたら、「優秀だったら残れるけれど、あなたは自分が思っているほど優秀じゃないから残れない」と言われました。優秀じゃないなら、なぜ15年間派遣として使っているのか。 次に、派遣元に無期で雇用してもらえるか尋ねたら「そのような仕事はない」と言われました。他の仕事の紹介すら「あなたの年齢では非常に厳しい」と言われています。 つまりセーフティネットであるべき雇用安定措置は、実際には何もできないということです。 厚労省の担当課長が「(これまで)派遣労働はモノ扱いだった」と発言しましたが、この法「改正」こそモノ扱いではないですか。 シングルマザーとして一生懸命働いて、誰からも養われずに2人の子どもを育ててきた。私の人生はモノじゃありません。 ▼ますますモノ扱いに/高校非常勤講師・女性 高校の非常勤講師をしていた時、派遣会社が間に入り、給与からかなりのピンはねをされていました。週50時間フルタイムで働いているのに何で「派遣」なのかと当時疑問でした。(職場で困りごとがあっても)派遣会社は何もしてくれません。ただピンはねするだけです。 ある日、派遣先から派遣会社に渡してほしいという書類を預かりました。中をみると、「物品購入費」として私の派遣料金が示されていました。働く者はまさに「モノ扱い」だということです。改正案で3年で首が切られるようなれば、ますますモノ扱いになると思います。 ▼得するのは派遣会社だけ/自治体業務、教師・女性 都内の区役所で国民健康保険の滞納世帯に納付を促す仕事を2年間していました。3年目を迎えた時、派遣会社が委託業務を落札できず、会社を変わって働き続けるか、それとも違う派遣先で働くかの選択を、契約終了の1週間前に迫られ、就労継続はあきらめました。 その職場では正職員は誰もいません。住民の個人情報も全て見られます。幸い問題は起きていませんが、これでいいのでしょうか。 次の私立学校に派遣された時は「業務委託」の契約でした。生徒から「先生は派遣なんだよね」と言われました。派遣の先生が問題なのではなく、先生を「派遣」にしているのが問題なのだと思います。 改正案でいい思いをするのは、ピンはねをする派遣会社だけです。 ▼労組の努力も水泡に/放送機器業務・30代女性 専門26業務で放送機器業務の操作で働いてきました。当初、契約書には「(派遣受け入れ期間)3年まで」とされていて、労組の働きかけで、何とか雇用をつなぐことができました。 改正案が通れば多くの派遣労働者は生活できなくなります。必死にしがみついて首の皮一枚つながっている人は、雇用を打ち切られてしまいます。今ある生活が奪われないよう、皆さんの力をお貸しください。 ▼賃金交渉したら雇い止め/秘書業務・女性 ある海運会社で秘書の専門業務派遣で働いてきました。その会社では秘書検定の資格所有者は一人もおらず、経験者の私が仕事をするようになって、「業務が良くなった」と評価されました。 しかし、賃金は20年前に秘書の仕事を始めた時よりも低く、妥当な水準を求めたところ、雇い止めを通告されました。おかしいと思い、労働局に申告。是正指導の末、雇い止めは解除されましたが、その後「あなたの仕事はなくなる」と再び雇い止めを通告されました。 法改正により3年で一律に首を切るのなら、その後は必ず正社員にするという確約が必要。そうでないなら、労働局の指導を守らない企業の名称をせめて公表すべきではないか。 こんな安い給料でばかにされているような気がします。私のような悔しい思いをする人を減らして欲しい。(連合通信) |
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