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2015年12月18日

時給千円では生活苦、1500円の実現を
新宿で再度最賃デモ

青年ユニオンの女性が訴え

 小雨が降る新宿の繁華街で12月13日、今年2度目となる「上げろ最賃デモ」が行われた。主催したのは労働問題を軸に社会的正義の実現を求める若者のグループAEQUITAS(エキタス ラテン語で「公正」の意味)。

 2020年までに最賃1000円をめざすという安倍政権の主張に対し、「それでは生活苦は改善されない」として、生活の底上げ実現のための最賃1500円を求め、新宿の街をデモ行進した。

 デモには500人が参加。サウンドカーの音楽に合わせ、「中小企業に税金回せ」「税金使って教育守れ」「保育士の給料上げろ」とコールした。

組合という選択肢もあるよ上げろ最賃デモ/青年ユニオンの女性が訴え

 労働問題を軸に社会的正義の実現を求める若者たちのグループAEQUITAS(エキタス ラテン語で「公正」の意味)。メンバーの多くは学生や若い非正規労働者たちだ。首都圏青年ユニオンに加入した「necoさん」もその一人。12月13日の「上げろ最賃デモ」では、街行く人に向けて自身が雇い止めにあった体験を語った。

▲倒れたら雇い止めに

 necoさんは去年、どうしてもやりたい仕事があり、職業訓練を受けてある会社に就職した。

 ハローワークの求人では正社員で月給25万円という条件だったが、実際には実務経験がないという理由で時給1000円のアルバイト扱い。社会保険にも加入させてもらえなかった。

 それでも半年間一度も休まず仕事を続けたが、無理がたたり、去年の秋に倒れてしまった。「給与が出てから病院に行き、その後に話し合いたい」と伝えたら、それから一週間後に雇い止めにされた。

 「心の底から『ふざけるな』と思った」

 やるせない思いでツイッターに自分の状況を書き込んだところ、首都圏青年ユニオンの委員長からアドバイスをもらった。委員長とのやり取りをきっかけにユニオンに加入。初めての団体交渉で会社側に謝罪をさせ、社会保険料も払わせることができた。

▲一人で頑張らないで

 苦しむのは、会社を選ぶ能力がないから、という人もいる。でも「それは違うのではないか」と思うようになった。労働基準法を守らない経営者がいることの方が問題なのだと気付いたのだという。

「赤ちゃんが親を選べないのと同じように、入ってからでないとどんな会社なのかはわからない。不当な扱いを受けたとき、少しの勇気をもって組合に入って団体交渉をすれば、おかしな経営者に対していうことをきかせることができる」

 権利を主張できるのに、その方法を知る機会は少ない。貧困に陥らないためには、無知は危険と話す。

「上げろ最賃デモを通じて、労働組合という選択肢もあること、ひどい労働条件で働いている人たちに、一人で苦しまなくていいということを伝えたい」(連合通信)

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