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2015年10月20日

「非正規に育休を」
マタハラNet

取得要件緩和を厚労省に要望

 働く女性の6割に上る非正規労働者の育児休業取得を進めようと、「マタニティハラスメント対策ネットワーク(マタハラNet)」が10月15日、厚生労働省に要望書を提出した。来年の通常国会に提出予定の「育児・介護休業法」改正案で取得要件の緩和を目指す。同Netの小酒部さやか代表は「育休を取得できずに失職すれば保育園や給付金も利用できません。非正規労働者の取得要件が厳しすぎることが大きな問題です」と訴えている。

 出産後に育休を利用して仕事を続ける女性の割合は、正社員が4割強なのに対し、パートや派遣社員はわずか4%だ(「出生動向基本調査」より)。なぜ非正規労働者は育休を使えないのか。

 「壁」となっているのが、育児介護休業法で定められている「育休取得の3要件」だ(表)。特に要件2と3が、非正規の育休を認めない企業側の理由にされている。

 パートや派遣、契約社員の場合、数カ月単位の短期契約も多く、1年後や2年後の雇用関係を見込むことが難しい。それを盾にとって、「非正規は育休を取得できない」と企業側に言われたという相談が同Netに寄せられている。

 小酒部さんは「諸外国に比べても日本は要件のハードルが高い。要件2と3は削除し、(非正規の育休を利用した就業継続率)4%という悲惨な数値を少しでも改善したい」と訴えている。

▲派遣元の責任周知を

 要望書では3要件の緩和に加え、「派遣社員の育休取得の促進」を求めた。

 派遣社員の場合、産休や育休を取得させる責任は雇用者である派遣元にある。しかし派遣会社にはそのような認識がなく、派遣先との契約が更新されなければ同時に雇用契約も打ち切るケースが一般的。それを当然のように労働者に周知している実態が少なくない。

 要望では、派遣元の責任を周知徹底するとともに、派遣元が取るべき配慮についても指摘した。同Netの調べによると、派遣契約が切れても雇用契約を継続し、労働者に産休や育休を取得させている派遣会社もあるという。「派遣元にとっても優秀な人材を確保する狙いがある。このような取り組みを広く周知してほしい」と小酒部さんは話している。(連合通信)

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