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2015年10月30日

「アリさんマーク」のボイコットを
ユニオンが呼び掛け

度重なる人権破壊に対抗

 「アリさんマークの引越社」で知られる「株式会社引越社関東」の違法な弁償金請求や長時間過重労働、度重なる人権侵害に対し、プレカリアートユニオンがボイコット(不買運動)を呼び掛けている。インターネットサイト「change.org」を通じ賛同者は2万人を突破。ユニオンの清水直子委員長は「従業員がまともに働ける環境をつくるため、社会的に問題にしていきたい」と話している。

 同社には、就業中の車両事故などの際に高額な弁償金を従業員に負担させる仕組みがあるほか、不払い残業も横行している。これらに疑問を感じた男性社員(34)が同ユニオンに加入したところ、今年5月から6月にかけて営業から「シュレッダー係」に移転させられ給料を約半額に減給された。

 男性が7月末に同社を訴えると、8月中旬に突然「懲戒解雇」を通告され、さらに顔写真入りで「罪状」などと書かれた掲示物を全支店に張り出された。裁判所に解雇無効を申し立てたことで会社は解雇を取り下げ、男性は10月1日から復職している(8月4日付、10月3日付で既報)。

 復職当日の昼休憩にユニオンが行った社前行動に対し、会社役員らが出てきて組合員らをどう喝。そのもようを撮影した動画はインターネットで話題になり、動画投稿サイト「YouTube」でこれまでに190万回以上再生されている。

▼動画や署名で世論喚起を

 その他同社では、休日を含め社員同士での飲食を規則で禁止し、組合に関与していないか抜き打ちでかばんの中身や車中をチェックするなどの行為が行われているという。

 採用時には、労働問題に詳しい組合経験者や公務員を親に持つ社員を採用せず、さらに部落関係者や在日外国人を採用しないといった差別的な方針があるという。

 ユニオンに寄せられる相談のなかには、社員の母親が高額の弁償金の保証人となり、年金のなかから毎月数万円を返還しているケースもある。

 清水委員長は「弁償金の被害者が声を上げ、お客さんからも会社にメッセージを発信してもらうなど、いろいろな人を巻き込むことで、同社のブラックな労務管理を是正する力にしたい」と話している。
 ボイコットの署名キャンペーンや動画の視聴は、以下のアドレスより。
http://chn.ge/1OdWdKy

「一人じゃないんだ」「アリさん」の組合員

「株式会社引越社関東」を提訴しているプレカリアートユニオン組合員の男性(34)が10月25日、都内で開かれたイベントで思いを語った。内容を抜粋して紹介する。(文責・編集部)

                                      ○

 10月1日から再び「シュレッダー係」として、粉じんの舞うなか作業を続けています。
 現役社員の組合員は私一人で、正直プレッシャーはありますが、もともとプレカリアートユニオンで元社員として闘っている人がおり、「一人ではない」という思いがありました。今後、勇気を持って立ち上がってくれる人がさらに出てきてほしいと願っています。

 「罪状ペーパー」の問題や「恫喝動画」などが社会的に反響を呼び、私一人の問題ではなくなっていると感じます。裁判では会社の主張とこちらの主張は食い違っていますが、動画の再生回数など世論の関心の高さが、その答えを出してくれているのではないかと考えています。(連合通信)

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