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見せしめビラって「アリ」? |
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社員いじめがエスカレート |
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「アリさんマークの引越社」で知られる「株式会社引越社関東」が、同社による不当な賃金減額の差額支払いなどを求めている男性社員(34)を懲戒解雇した。会社は、解雇理由の「罪状」を列挙した掲示物を各支店に貼り出した(写真)。男性は「見せしめのようにして他の従業員を委縮させる会社のやり方に、ものすごく憤りを感じる」と話している。 ▲突然の懲戒解雇と撤回 男性は車両修理代などを従業員に負担させるしくみに疑問を感じ組合(プレカリアートユニオン)に加入したところ、不当な配転などを受けたため7月末に会社を提訴していた(8月4日付で既報)。 8月11日の朝、従業員約80人が並ぶ朝礼の場で突然名前を呼ばれ、「会社の名誉を害した」などの理由でその場で懲戒解雇を通告された。懲戒解雇の際必要とされる事前の弁明の機会はなく、解雇通知書すら手渡されずに帰宅を命じられた。 会社は同日付で懲戒解雇処分を伝える「罪状」などと書かれた文書を、各支店に掲示。さらに全従業員に配布している社内報にこの文書を掲載した。 男性は8月17日、懲戒解雇は無効だとして東京地裁に申し立てた。解雇事由はもとより、その手続きすら逸脱した行為に、裁判官は当初から「解雇無効」との意向を示した。会社側は解決金による和解を強く求めたが、拒否されると解雇をあっさり撤回した。 違法な懲戒解雇を突然通告し、全従業員に見せしめにした行為に対し、会社側からの謝罪はなかった。 男性は10月1日から「シュレッダー係」として復職している。「会社を訴えても大丈夫なんだと身を持って示すことで、会社のやり方に疑問を持っている(社内の)他の仲間が続いてほしい」と話す。 ▲東西で集団訴訟 懲戒解雇をめぐり男性が受けた一連の悪質な行為と名誉棄損に対し、9月30日に新たに損害賠償計300万円を求めた。前回提訴した、配置転換の撤回と差額減給分の支払いと合わせて請求している。原告代理人の佐々木亮弁護士は「あり得ない解雇であり、都合の悪い社員をしつこく攻撃する悪質さに驚く。これまで何人の人が泣いてきたのか恐ろしくなる」と指摘。 ユニオンでは、同社グループでの違法な弁償金や不払い賃金などの支払いを求めて、名古屋で12人が、東京では男性のほかに4人の原告が集団訴訟を起こしている。 会社には「組合経験者や、親が公務員など堅い職業の場合は採用しない」といった方針があるという。公務員は組合員の割合が高く、親から本人に労働問題についてアドバイスされる恐れがあるなどの理由だ。ユニオンの清水直子委員長は「従業員が労働法の知識を持つことを会社は極端に恐れており、『知らない』ことに付け込んで不当な労働を強いている」と指摘している。(連合通信) |
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