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2015年11月10日

従業員が退職強要を告発
アマゾンで組合結成

過酷な収益モデルに各国で批判

 インターネット通販大手の「アマゾンジャパン」で働く従業員らが労働組合を結成した。過酷な労働を強いて収益をあげるビジネスモデルには各国で批判が高まっており、組合結成が相次いでいる。日本では東京管理職ユニオン(連合傘下)支部として発足、世界で5番目の結成だ。11月4日の記者会見で組合は、同社で行われている「業務改善プラン」が事実上の退職強要だと訴え、撤廃を求めた。

▼退職強要を制度化

 同社では、従業員に短期間で達成不可能な課題を与え、未達成を理由に退職を迫る「業務改善プラン(PIP)」が行われている。

 組合員の男性は、新たな業務を任せられたが上司からは必要な指示がなく、執拗に叱責されるというパワハラを受けた。長時間の残業が続くうちに体調を崩し、しばらく仕事を休んだ後に職場へ戻ると、PIPの前段階のプログラムを受けさせられた。

「自分に欠けているものを書け」と言われ提出すると、次は同僚や部下から指摘された自身の短所について問われ、改善計画を作らされる。それが週1回のペースで繰り返された。しかし評価は低く、「次はPIPだ」と告げられた。

 PIPを受けた同社の従業員は、ほとんどが退職に追い込まれているという。男性は「抽象的な評価のため上司の心証に左右される。対象となった時点で『おしまいなんだ』と感じる」と話した。

 東京管理職ユニオンの鈴木剛委員長は「常に社内に一定数の『ローパフォーマー』(低評価者)をつくることで従業員を追い立てていく相対評価の手法だ」と指摘した。

 従業員は普段から高い目標設定によるストレスにさらされている。男性は「私の周りにも心身に不調をきたしている同僚が少なくない。従業員全体が安全に、充実して働けるような環境にしたい」と組合結成への思いを語った。

▼国際的な包囲を

 今年8月、米国の新聞が「アマゾン」社の過酷な労働環境を大きく報じた後、同社従業員からユニオンへの相談が急増した。

 ユニオンは今回の組合結成を機に従業員に広く加入を呼び掛けている。ゆくゆくは独立した組合として「自立」し、健全な労使関係をつくりながら労務環境の改善をめざす。鈴木委員長は「グローバル企業に対し、国際的な組織とも連帯して闘っていきたい」と話している。(連合通信)

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