貯蓄なし世帯24%

広がる所得格差

 四分の一の世帯が貯蓄を持っていない──。日銀などで構成する金融広報中央委員会の「二〇〇五年家計の金融資産世論調査」です。 「貯蓄を保有していない」世帯は二三・八%。預貯金のほか証券・生命保険を含めて貯蓄ゼロという状況です。
 貯蓄保有世帯をみても、一年前と比べて「減った」は四五・八%に上り、「増えた」は二〇・七%どまり。減った世帯は六十代、七十代で際立って多く、それぞれ五〇・六%、四八・九%です。
 貯蓄残高が減った理由(複数回答)は「定期収入が減り貯蓄を取り崩した」(五一・三%)がダントツ一位。「子供の教育費用、結婚費用の支出」「耐久消費財購入」が続きます。一方、株式や投資信託などリスク資産の保有を増やしている高額所得者がおり、貯蓄の二極化・格差が浮き彫りになっています。

 働けど働けど賃金ダウン

一方で残業時間増える


 残業時間が長くなっているのに、賃金は減少──。厚生労働省の毎月勤労統計調査でこんな傾向がはっきりしてきました。
 10年前の94年当時、残業時間は月12・1時間でした。04年には14・9時間となりました。特に01〜04年の4年間は連続して残業時間が増えました。
 ところが、現金給与総額は低下気味。2000年を100とした場合、2004年は98・0(45万二1052円)という水準です。
 今、企業はばく大な利益をあげていますが、労働者の残業増や給与減がそれに貢献したことは明らか。春闘では堂々と賃上げや時短を要求しましょう。

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