前進座公演

銃口

6月25日 7月2日京都公演

 昭和2年、旭川大栄小学校。北森竜太の担任・坂部先生は「返事がいいと幸せがくる」というのが口癖である。そんなある日、芳子が遅刻してきた。一斉にはやし立てる生徒たち。坂部は、「芳子の家は父親が病気で、家を助けるために毎朝納豆売りをしているのだ」と諭すのだった。
 いつしか竜太と芳子は「私も坂部先生のような教師になりたい」と思うようになっていた。
 一方、北森の家は、旭川の古くからの質屋で、タコ部屋から脱走して来た朝鮮人をかくまい助けるような家庭だった。
 昭和12年、竜太は炭鉱町の幌志内小学校に赴任する。日に日に軍事色が強まる中、竜太のもとへ、一足先に教師なっていた芳子が訪ねてきた。2人は3年後には結婚しようと誓った。そして、札幌での”綴り方教育”の研究会へと向かったのだった。
 ところが、昭和16年正月、竜太は突然特高に連行された。治安維持法に触れるとされたのである。執拗な尋問と拷問の果て、退職願に署名させられる竜太。やがて牢獄の中で見る影もない坂部先生に引き合わせされた。「苦しくても、人間として良心を失わずに生きるんだ。時代を見つめるんだ!」―それが坂部先生の最後の声となった。
 釈放はされたものの、赤紙が来て、竜太は挙式直前に満州へと招集されていく…
原作・三浦綾子 いまむらいづみ 上沢美咲 高橋祐一郎他

     6月25日(土)京都会館第二ホール
                 開演@午後1時30分A午後6時
     7月2日(土)京都市呉竹文化センター 

                 午後6時 料金4500円

          申し込み  前進座京都営業所 TEL・075(561)6300
                国民救援会京都府本部   075(801)3915