一望する山並みを眺めるとき、 それは至福のとき |
春浅い雪の北アルプス燕岳から槍を見る |
![]() 樹林帯を抜けると、「合戦の頭」。いっきに展望が開けます。快晴の空、一面白一色、槍ヶ岳の穂先も見え、いわゆる至福のひと時。しかし、サングラスがないとまぶしいのだ。 山肌の雪は、風のせいか年輪のような縞模様が走っています。場所によってはその奇跡は様々。しかも光と影で明暗がはっきりしたモノトーンの世界で、研ぎ澄まされた美しさを感じます。 ここまで来ると雪はざらざらで、カキ氷みたい。食べると水分が少なく、一瞬で溶けてしまいます。注意しないと積雪量が多く、踏み外すと膝上まで埋没する。 苦しながらも稜線の山小屋の「燕山荘」へ。北アルプスの大半の山々が一望でき、急に元気が沸いてくる。人間、現金なものですよ。 さて、ここからの槍ヶ岳は「北、東、西鎌尾根」という3本の尾根が穂先からのび、後方に ![]() 稜線の雪は、強風で吹き飛ばされて雪のないところが多い。雪山では、雪の有無と縞模様を見ると、風の方向と強さがわかるようだ。そして雪山は、風の影響が強く、そのため様々な表情を見せてくれます。 翌朝も快晴。御来光のあと、流れ雲で隠れていた槍ヶ岳が、ベールを取り払うように一気に姿を現しました。眠っていた山の神が起き上がったような気がしました。 朝日を浴び始めた雪の槍ヶ岳。山の色が白から、薄い紫、薄いピンク、オレンジ、黄、また白へとめまぐるしく変化。山が最も神聖化する一瞬にただ呆然。 のんびりと昼まで北アルプスの山々を眺めて、下山。最後に中房温泉にどぼ〜ん。 江戸時代からの古湯で、少し硫黄のにおいがする。新緑を眺め、川のせせらぎを聞きながら、とにかく極楽。山では秘湯も味わえます。(写真はホームページから) |