「スト決行」

プロ野球が消えた2日間

発行・朝日新聞社

ファンとプロ野球労組の熱きたたかい

 004問9月18日、日本プロ野球史上初めてのストライキが決行されました。このストライキは、翌19日までつづけられ画期的な成果を収めました。ひとりの脱落者も出さず、ファンとともに成功させました。プロ野球史上だけでなく日本の労働運動にも限りない勇気と希望を与えるものでした。
 ストライキの発端は、近鉄とオリックスの合併で2リーグ制から1りーぐ制に縮小再編しようとするものたちが表面に現れたことから。ここからファンの願いを尊重し日本プロ野球の発展に努力しようとするプロ野球選手たちのたたかいが始まる。
  「たかが選手」発言、「選手会は労組ではない」との傲慢な態度、縮小再編を強行する影の姿が国民の前に明らかになっていく。 ファンの思いをしっかり受け止め、日本のプロ野球の未来を心配する古田選手やプロ野球の選手たち。
 選手会は、自分たちの年俸を削減してでも2リーグ制を守ろうと立ち上がった。ドラフトの見直し、放映権問題など積極的な提言をする。
 その反対に、東京地裁が「選手会」を労働組合と認める判決をしたにもかかわらず、「ストライキを実施すると損害賠償を請求する」と発言するオーナー会議の面々。幾多のドラマが繰り広げられ、困難を乗りこえストライキに突入、近鉄・オリックスの合併は阻止できなかっても12球団による2リーグ制を守りぬいた。
 朝日新聞スポーツ部が総力を挙げて取材、克明に事実をおっかけ、ストライキまでの道のりをたどっていく。。縮小再編の画策をする前巨人軍の渡辺恒雄氏、前西部オーナーの堤義明氏、オリックスオーナーの宮内義彦氏らの孤立・・・・。
 最後に古田選手会会長とのインタビューは、人間古田の姿と・スト前夜のリアルな姿が浮かび上がる。
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