いまも日本軍が残した毒ガス・砲弾で傷つく中国の人たち 

ドキュメンタリー映画

「にがい涙の大地から」

 戦争が終わって60年、中国では今も日本軍が捨てた兵器で被害者が絶えません。日本では憲法をかえようとする勢力は、歴史の事実である「南京大虐殺」は、デッチ上げとのキャンペーンをはっています。
 しかし、あの日本の中国侵略によって1000万人の中国人が殺されたといわれています。国際条約で禁止されていた毒ガスなどの製造・使用、敗戦時、秘密の発覚を恐れた日本軍は毒ガスを中国に廃棄。その数は70万発(内閣府発表)、いまだに中国に眠っています。砲弾は数え切れない料です。
 戦後、中国では工事現場などで、これらの遺棄毒ガス兵器が掘り起こされる事故が起こり、2千人とも言われる負傷者が出ています。2003年8月4日にも、中国黒龍江省チチハル市では、遺棄毒ガス兵器を浴びて1人が死亡、37人が入院する事件がおきました。
 遺棄毒ガス・砲弾訴訟とは、事故により毒ガスの後遺症に苦しんでいる方や、家族を失った方、また遺棄砲弾で家族を失った方などが原告となり、日本政府に謝罪と賠償を求めて起こした戦後補償裁判です。そのうち 1996年に始まった第一次訴訟(原告13人)について、 2003年9月29日に国に損害賠償を求める画期的な判決が出され、注目されています。
 この毒ガスや砲弾で被害にあった人たちや遺族の証言を中心に映画がつくられました。「にがい涙の大地から」を海南友子さんが1年をかけて完成させました。 海南友子さんは、NHKの報道ディレクターとして7年勤務。2000年に独立。2001年インドネシアの元『慰安婦』を取材したドキュメンタリー映画『マルディエム 彼女の人生に起きたこと』を監督。山形国際ドキュメンタリー映画祭2001で上映されたのを皮切りに 全国各地で上映会が相次ぎ、2003年には劇場公開でも公開されました。
  「にがい涙の大地から」は、6月24日(金)、精華大学、7月15日(金)18時30分〜、18日(月・海の日)10時〜・13時〜ひと・まち・交流館(市バス・河原町正面すぐ)で上映されます。
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