京都北山 

貴船山から魚谷山へ

その昔、登山家や探検家が好んでトレーニングに励んだコース


 二ノ瀬〜貴船山(699.8メートル)〜魚谷(いおだに)山(816.2メートル)のコースは、こよなく京都北山を愛した今西錦司さんや桑原武夫さん、西堀栄三郎さんなど著名な登山家、探検家のホームグランドといわれ、日本初期の海外登山や探検の練習の場としてに大きな役割を果たしてきたところだといわれています。壊れかけていますが、ここに旧京都二商の霊山荘と直谷山荘が残されているのもうなずけます。 高野川の源流・貴船川と加茂川の源流・祖父谷に囲まれているこの二つの山の間を流れている中津川上流の直谷(スギタニ、またはスグダニ)周辺は登山家に愛され、その昔は大型のサクラソウが咲きほこり、いまもイカリソウが登山者を和ましてくれます。(左の写真はイカリソウ。ホームより)
 
 コース
 
 叡山電鉄鞍馬線の出町柳駅から乗車、二ノ瀬で下車、貴船川にそって歩き電車の軌道を横断。そこに惟喬親王とその母を祭神とする守谷神社と富士神社があります。左に行けば夜泣峠、右にコースを取れば二ノ瀬ユリの林道です。(右の写真ホームより)
 二ノ瀬ユリは貴船山の東側を緩やかに登っており、道幅は軽トラが一台通れるような広さの尾根道。そこを歩き、やがて夜泣峠から稜線に出るコースと出合い、1時間ほど行くと樋ノ水峠への分岐に差し掛かります。左へ曲がり落ち込むような斜面を西にすすむこと10分、貴船山の稜線を越すところへでます。まっすぐすすむ道と右へ折れる道に分かれており、右にコースを取ると10分で樋ノ水峠にでます。
 ここからブッシュをこいで行くと道の右に貴船山への標識があり笹を払った地点に標識が見えます。ひっそりとしており人影はあまり見えません。
 貴船山から直谷に方向を取り、笹のブッシュを掻き分け下る。20分ぐらいで直谷にでます。昔の直谷は感じのいい山道でしたが、いまは林道に変わっており谷の奥までつづいています。一時は、この山道を好みハイカーがたくさん訪れていましたが、林道になってからはめっきり人が少なくなりました。(今西錦司氏のレリーフ。ホームより)
 20分ほどすすむと滝谷峠へ。谷をまっすぐすすみ柳谷峠をめざします。静寂の中をゆっくり歩を進めると、左側の斜面に大きな岩が現れ、そこに今西錦司さんを記念するレリーフがはめ込まれています。いい休憩場所でもあります。春もいいけど秋がいい。
 柳谷峠をめざし登るとだんだん谷が細くなり、20分ほど登ると峠に到着。峠から10分で魚谷山に登りつきます。ここまでは、本来の北山らしく自然をたっぷり味わうことができます。しかし、魚谷峠へ下る途中から木が伐採されており、寂しい感じになります。
 魚谷峠から南西に林道ができており尾根に沿って出合橋の少し北に出られます。また小梅谷への林道もあり祖父谷へ50分で降りることができます。