バブル崩壊後、狙われた日本企業

小説ハゲタカ 上・下 ダイヤモンド社

著者・真山 仁(上・下)

「小説だから書けた真実がここにある」と専門家も絶賛

 「失われた10年」といわれる、日本のバブル破綻後の10年間。北海道の拓殖銀行の倒産、栃木県の足利銀行の破綻など大型倒産が相次ぎました。住専7社の不良債権は約9兆6千億円、総資産の74%にのぼったいわれる。
 1996年の通常国会では住専処理のため6850億円もの国民の税金が投入された。その後も1兆円を越える公的資金がバブルに踊った銀行・金融機関に投入された。
 この「失われた10年」の間に、中小企業は銀行の貸し渋り、貸しはがしにあい、たくさんの企業が倒産に追い込まれました。
 ここに暗躍したのがアメリカの投資会社やのっとり屋といわれた「ハゲタカ」。彼らはどのようにして銀行を買収し、巨額の利益を得たか。ジャーナリスト出身の著者は、豊富な取材と想像力で小説「ハゲタカ」をつくり書きあげた。
 ここに書かれたことがすべて「フィクション」とは言いがたい。実名を創造させる銀行名や企業名、金融担当大臣が登場する。小説にでてくる「足取銀行」を倒産させるいきさつでは、担当大臣がアメリカの首脳と相談する場面が登場する。はたしてフィクションかノンフィクションか。
 とにかく、銀行買収や「ハゲタカ」同士の争いなどリアリティがある。いまの日本の現実や将来を考える上で何かを示唆している。
 著者・真山仁氏は、同志社大学出身で元読売新聞記者、フリーライターを経て「ハゲタカ」で作家デビュー。2003年に大手生保の破綻危機を描いた「連鎖破綻」(ダイヤモンド社、香住 究名)がある。

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