次々に襲いかかる災難

『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』

 世界で40の言語に翻訳され、合計3千万部を売り上げたベストセラー「世にも不幸なできごと」の映画化です。原作がヒットした理由は「あまりにかわいそうで読むのが止められなかった」から。
 次々に襲いかかる災難を知恵と勇気と行動力ではねのけていくボードレール家の3きょうだいの物語です。天才発明家で日常の発明品をつくるのが大好きな長女のヴァイオレット、本の虫の長男クラウス、一度かみついたら離さない末っ子のサニー。
 ある日、自宅が火事になり両親が死んでしまいます。姉弟妹に巨額な遺産が残されますが、長女が成長するまで使えません。身寄りのない3人は遺産目当ての遠い親戚に預けられますが、なぜか最悪の不幸が次々に訪れて……。
 3人の機知に富んだ行動力や次女のユーモアあふれる仕種が見る者をほっとさせますが、それも束の間、次の不幸が予感されます。アドベンチャーあり、サスペンスありで見ごたえ十分の映画です。5月、全国松竹・東急系劇場でロードショー。
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