被爆60周年記念・アニメ「アンゼラスの鐘」
被爆60周年に,反核平和の願いを込めて製作された長編アニメーション「NAGASAKI1945 アンゼラスの鐘」が、05年7月に完成しました。このアニメは、長崎の医師・秋月辰一郎さんを中心にした物語です。 美しいアンゼラスの鐘が時を告げる浦上天主堂近くの浦上第一病院は、礼拝や告白など宗教活動の場を併せ持ち、戦時下の市民にとって心身共に頼りとなる存在でした。 病院に迎えられたたった1人の医師、秋月辰一郎は、その誠実な人柄で患者や病院関係者たちの親しまれていきます。 1945年8月9日、長崎。広島に投下された原爆の威力が秋月医師らにも伝わり、思わしくない戦況を案じ始めていた時、B29重爆撃機が密かに接近。長崎上空に原爆が投下され炸裂するやいなや、一瞬にして町とそこで生活していた人々を焼き尽くします。浦上天主堂が炎上、アンゼラスの鐘は吹き飛ばされ、瓦礫の中に埋もれました。 生き残った秋月医師と浦上第一病院の人々は助け合い、医療救助活動に立ち上がります。しかし、その手に残されたのは粗末な器具とわずかな医療品のみ。被害の甚大さに秋月たちは時として立ちすくみ、無力感に襲われます。 「日本人は、戦争の本当の悲惨さを知らなかった」死を宣告された町、長崎を人々は恐れます。しかし秋月医師は仲間たちと共にとどまり、懸命に活動を続けます。ふたたびアンゼラスの鐘が長崎の空に響き渡る、「復活」の時を信じてー |
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アンゼラスの鐘」上映会 と き 7月29日(土) ところ ラボール京都 2階大ホール 上映時間 @15:30〜(入場15:00)A19:00〜(入場18:30) ◆大 人 1,200円(当日1,500円) ◆小中高生 800円(当日1,000円) 主催 原水爆禁止京都協議会 府職労で前売券を本部であっせんしています。 |
映画監督 有原 誠治さん
「アンゼラスの鐘」を語る
被爆六十周年にあたって、長編アニメ映画「NAGASAKI・1945 アンゼラスの鐘」を製作しました。 長崎原爆で自ら被爆しながらも被爆者の治療を続けてこられ、今年10月に亡くなられた秋月辰一郎医師の話を中心にした物語です。先生の体験をまとめた「長崎原爆記」と「死の同心円 長崎被爆医師の記録」を読み、とても印象深かったのが製作のきっかけとなりました。 原爆による放射線の恐ろしさは今日に通じるものです。広島・長崎でどんなことが起きたのか、アメリカは隠しつづけ、一般の人には知らされませんでした。 しかもアメリカは放射線にすさまじい影響があることを承知でイラクなどで劣化ウラン弾を使用し、より使いやすい小型核兵器の開発にさえ踏み出しています。許しがたいことです。 日本では憲法改正が現実的になり、戦争への道を踏み出そうとしています。 核兵器が平和を支えているという誤った考え方が国際的にありますが、このアニメを通して長崎でどんなことが起きたのか、原爆がどんなにすさまじく恐ろしいものなのかを、世界の、とくに若い人たちに知ってほしいのです。 被爆者がいなくなる時がきます。だからこそ、被爆体験をさまざまな形で残していかなければなりません。これからの世代が見て考え、判断し、血肉にできる表現方法としてこれからもアニメをつくっていきます。 |
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長編アニメ映画「NAGASAKI・1945 アンゼラスの鐘」の問い合わせ先=同製作委員会(電話075─581─0066)、もしくは虫プロダクション(電話03─3990─4153)。 ありはら・せいじ 一九四八年秋田県生まれ。七七年に虫プロダクションに入社。主な作品は戦争と平和をテーマにした「火の雨がふる」「うしろの正面だあれ」など。 |
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