大富豪の激動の人生描く

マーティン・スコセッシ監督/『アビエイター』

 1920年代、サイレント映画がトーキーへと転換するころの映画監督、飛行家でありトランスワールド航空を買収した大実業家、女優キャサリン・ヘップバーンをはじめ名だたる女性たちと浮名を流したプレイボーイ──。
 アメリカでその名を知らない者はいませんが、実像を含めて多くのなぞにつつまれた実在の大富豪ハワード・ヒューズ。その激動の半生を描いた作品です。
 ヒューズを演じるのはレオナルド・デカプリオ。企画段階から参加、制作者側にも名を連ねるほどの入れ込みようです。夢とロマンに満ちた若き日々、心の病に侵されていく老年期など、デカプリオの演技が随所に光り、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたのがうなずけます。
 本人は賞を逃しましたが、ヘップバーンを演じたケイト・ブランシェットは助演女優賞を受賞しました。 壮大なスケールの飛行シーンなど、映像のすばらしさにもぐいぐい引き込まれていきます。3月末から全国で公開されます。
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