府民にあったかい府政冷たい官僚府政

公開討論会で違いクッキリ

 府知事選告示を前にした21日、衣笠洋子さんと現職の山田知事が出席して、「公開討論会」(京都青年会議所など主催)が、京都市の京都商工会議所と亀岡市のガレリアかめおかで行われました。討論では、府民の暮らしを応援する衣笠さんの「温かさ」と、府民の「痛み」が分からない山田氏の「冷たさ」がくっきりしました。衣笠事務所には討論会に参加した方から、「衣笠さんの温かさと知事の冷たさがよくわかりました」と激励の電話も入りました。
 
府財政と財政危機では・・・
 府財政と財政危機について、衣笠さんは財政危機の原因を明確にし、無駄遣いにメスを入れること、府民の安全・安心を考えるならただ人を減らせばいいというものでない。財政は人件費だけでなく全体を見てどう考えるかで、私はムダな公共事業を削ることが必要だと考えると基本的姿勢を明らかにしました。これに対し山田氏は、公共事業をやめてもお金は出てこない。40億円の公共事業を40年ローンでやったら1年で1億程度、それに対し公務員は人ひとり2億8千万円払うことになる。定数削減をしなければサービスは維持できない。1年と40年を混同した議論を展開しました。

雇用と地域経済では・・・
 雇用と地域経済の問題で、衣笠さんは府内の失業率が全国最悪の悪化率となっていることや大型店の影響などで約4000(99年―04年)軒の小売店が減少 している実情を示し、「中小企業の経営対策や企業に常用雇用を求めることが必要」「シャッターが閉まった商店街に胸が痛む思い」とのべました。これに対し山田氏は、「(失業率は)4年間通算の改善幅は全国4位」とごまかし、大型店問題では「地方公共団体は規制できない」「土日に朝から店を閉めている商店街もある。努力してほしい」と言い放ちました。
 産業政策では、山田氏は頑張る中小企業の応援条例、元気な企業の誘致などをあげましたが、衣笠さんは、いろいろ言われたが府民には実感できないしもっと実感できるものにしてくことが大事だと強調。京都は中小企業、伝統産業で成り立っているが、いまそれが大変な状況にある。いまそこを踏まえてものづくり、中小企業の応援、後継者育成のシステムが求められていると暮らしの実態に即した提案をのべました。

福祉では・・・
 また、福祉の問題についても、衣笠さんは安心して生き、働くことが大変な時代だからこそ憲法25条に立ち返った行政が求められると、ここでも基本的スタンスを明らかにし、乳幼児医療無料化や少人数学級等の子育て日本一の緊急提案を紹介しました。山田氏は、地方公共団体の役割はセーフティネットとして守っていかなければならないと発言。ここでも基本姿勢の違いが明らかになりました。

教育では・・・
 教育の問題では、衣笠さんはどの子にも伸びる力がありその力をのばすのが自治体の仕事。その立場から高校統廃合は反対、一方で養護学校に通う子ども達の実態は1日のばしにすることはできない。より充実した環境の整備が緊急に必要。それに対し、山田氏は、高校は8クラスが必要で、そのためには統廃合しかない。私自身多くの人にふれあうことが大切だと思う。野球する生徒もいれば勉強する生徒もいる、いろんな生徒がいる。そんなバラエティにとんだ良い学校をつくりたいと語りました。

洛東病院問題では・・
 また、府立洛東病院を現知事が廃止したことについて、衣笠さんが患者の声を紹介して厳しく批判したのに対し、山田知事は「(洛東病院は)赤字がでていた」と弁解。さらに「改修には50億円かかる。入院患者は100人。1人5000万円だ」と「経営者」らしい計算をとくとくと披露。「府民に冷たい」みずからの姿勢を浮き彫りにしました。

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