憲法の理念をいかそう

世界平和7人委員会が結成50年で講演会とアピール

 世界平和アピール7人委員会は11月11日、結成50周年記念の講演会「平和に生きる世界のために」を東京で開き、150人が参加しました。委員を務める大石芳野(フォトジャーナリスト)、武者小路公秀(元国連大学副学長)、井上ひさし(作家、日本ペンクラブ会長)、土山秀夫(元長崎大学学長)、伏見康治(元日本学術会議会長)の五氏が発言。「九条の会」などが後援しました。 7人委員会は1955年に日本初のノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士らが結成。人道主義と憲法の平和主義に基づき不偏不党の立場からこれまで約90のアピールを発表してきました。歴代委員には作家の川端康成、井上靖氏などがいます。
 大石さんは戦争被害にあった子どもたちの写真を紹介しながら、「子どもたちの心に恨みを育ててはならない。平和の取り組みを一歩ずつ前進を」と述べました。
 武者小路さんは「市民の連帯が平和をつくる」と強調。新自由主義に抗して世界で広がるさまざまな運動との連携を訴えました。
 井上さんは広島、長崎への原爆投下後、被爆者と市民の力で新たな被爆都市を生んでいないことにふれ、「人類史への大変な貢献だ」と強調しました。
 土山さんは「平和のために核の傘はいらない」とし、東北アジアを非核兵器地帯にしようと語りました。
 講演会では「平和に生きる世界のために」と題したアピールを発表した。国連と加盟諸国に核兵器廃絶、戦力・交戦権の否認と紛争の平和的解決などを求めるとともに、日本政府に対しては@憲法の理念と原則を守りいかすA日本を含む東北アジア非核兵器地帯の設置B真にアジアの人々と共生するアジア外交の推進──を要請しました。

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