2005年6月21日から30

6月30日
■京都府の6月定例府議会、一般質問。山田知事は、生命科学やバイオ、医療などの健康創出(ウエルネス)産業育成に向け、行政機関や府内の大学などで組織する「京都ウエルネス産業コンソーシアム」を7月中に発足させる考え。同コンソーシアムは、府、京都市、京都産学公連携機構、京都産業21のほか、京都工芸繊維大、京都産業大、京都大、府立大、府立医科大、京都薬科大、同志社女子大、明治鍼灸大の府内8大学で構成。ウエルネス産業に関する大学発ベンチャーの育成や、中小企業による医療分野への進出支援などを実施。府は同コンソーシアムを通じて研究開発費の一部を補助。茶、森林、温泉といった府内の資源を活用したウエルネス産業や医療分析機器などに関する研究会も開く。
■京都府など、山崩れや土石流など台風23号による山地災害の復旧工事で、6月末までに、福知山市雲原の治山ダムをはじめ、舞鶴市や綾部市、大江町など中丹広域振興局管内で防災施設計22カ所を完成。
■京都府、府北部地域で看護師の確保のため、看護学生向けの修学資金制度の返還免除要件を見直す。貸与資金の返済を免除する施設として、新たに綾部市以北の200床以上の病院勤務を加え、来春に養成所を卒業する学生から適用。対象の病院は、綾部市立病院、福知山市民病院、舞鶴医療センター、舞鶴共済病院、府立与謝の海病院、京丹後市立弥栄病院の計6病院。


6月29日
■京都府、関西学研都市の景観形成について話し合う「府関西文化学術研究都市景観ワーキンググループ」を設置。同グループの委員のうち3人を京田辺市と木津、精華両町の住民から公募。
■京阪京都交通、京都交通の経営破たんによって解雇される全従業員の約8割が、バス路線を引き継ぎ、7月1日付で再雇用される。

6月28日
■京都府の6月定例府議会、代表質問。山田知事は京都市の主要ホテルで4、5月の客室稼働率が好調だったことを「愛知万博もあってプラス効果が現れている」と分析し、8月に万博会場で予定されている「京都府の日」で京都観光をさらにアピールする考えを示す。
 代表質問では、府犯罪のない安心・安全なまちづくり条例で「府民防犯の日」に定めた7月10日に、京都産業会館で子どもの安全や地域の防犯活動を考える大会を開くことを、明らかにした。10−19日に府内各地で防犯パトロールや通学路の安全点検を行う。
■京都府議会6月定例会、委員会審議に限り、軽装を認めることにした。一方で地元産品のよさを見直そうと、本会議で着用するネクタイは西陣織製品を共同購入している。
■京都府の景観施策の指針となる「京の景観形成推進プラン」検討委員会、会合には都市計画の研究者や写真家、NPO法人代表ら11人が出席。座長に池田京都工芸繊維大名誉教授を選び、府の担当者が景観施策の現状や昨年12月に施行された景観法の内容を報告。
 府内では京都市や美山町など5市町が景観に関連する条例を制定。今後、府内の良好な景観形成に向けて市町村の取り組みを支援するとともに、広域的な景観形成や府民一体となった仕組みづくりについて論議。プラン策定後は景観シンポジウムも予定。
■京都の市民団体「京の道と交通を考えるネットワーク」、京都市と阪神高速道路公団に対し、京都高速道路計画の5路線のうち、建設が進んでいる2路線の工事凍結と未着工の3路線の計画中止を申し入れ。
■舞鶴市職員の互助組織「市職員共済組合」、「退職金の二重払い」との指摘もあった退会給付金を廃止するなどの基本方針を決定。これまで1対2だった職員の掛け金と公費の比率も、今後は結婚祝い金などの給付事業は掛け金のみで行い、福利厚生事業も1対1に改める。退会給付金はこれまで、加入年数に5万円をかけた金額が支払われ、最近5年間で計算上約2億6000万円の公費が投入された。今年3月の退職者から適用する。結婚祝い金(15万円)などその他の給付事業と、ソフトボール大会への補助などの福利厚生事業は、本年度分から適用する。 ■大江町、再開された6月定例会の本会議に、町長ら特別職と全議員の期末手当を5−10%減額する条例案を提案、可決。対象は町長、助役、収入役、教育長の4人と全議員14人。町長は10%、ほかは5%のカットとなり、全員で年額107万円の削減ができる。
■洛南高と同高付属中、06年度から男女共学化する方針。
■地方自治体国民保護懇談会、総務省消防庁が05年度中に作成する市町村向けのモデル計画の考え方を説明。モデル計画では、他国からの武力攻撃などの有事の際、市町村の重要な役割となる住民への警報や避難指示の伝達、住民の誘導などに特に力点を置く。また、24時間対応が可能な体制をつくるために、役所の当直体制や消防機関との連携を盛り込む。委員からは「小さな市町村で24時間対応は難しい。消防機関の役割が重要」などの意見が出た。市町村はモデル計画を踏まえて06年度に計画を作成。

6月27日
■京都府、茨城県の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されたことを受け、昨年感染があった府内の養鶏場に対する巡回指導を開始。口丹波では、府南丹家畜保健衛生所や、府南丹広域地方振興局、市町の担当者らが、1市7町の養鶏業者らを巡回。職員らは、50羽以上飼育している約60の養鶏業者と農家に対し、同県の発生状況の説明や、再発防止に向けた対策の徹底をあらためて要請。
■島津製作所、本社三条工場内に分析計測機器の新工場を建設する計画を正式発表。生産を担う子会社を新設し、来年11月に完成する新工場で高効率の生産体制を確立する。 新工場建設に対し、京都府と京都市が企業誘致制度の補助金を出して支援する予定。同日、山田啓二府知事は「地元雇用の創出と地域経済の発展への貢献に期待する」、桝本頼兼市長は「新工場建設がスムーズに進むように支援する」とコメント。
■京都府、審議会での女性委員の登用状況をまとめ。04年度の女性委員の割合は32・3%で過去最高になり、目標の33%に近づいた。今年3月末現在の審議会などの委員は合計1373人で、このうち女性委員は443人。府の女性委員の登用率は01年度が29・6%、02年度29・1%、03年度30・0%。
■京都市廃棄物減量等推進審議会「ごみ処理手数料等検討部会」、事業ごみの収集運搬許可業者が支払う処理場へのごみ搬入手数料について、現在の5割減免措置は06年度から廃止し、新たに条例で1トン当たり1万円の許可業者料金を新設することで合意。また、完全移行まで激変緩和措置を設けることも確認。
■木津町議会、定例会を再開、議員が本会議や委員会に出席した際の日当3000円を廃止する条例改正案が議員提案されたが、賛成少数で否決。


6月26日
「知事と和い和いミーティング」、教育や福祉、商業など幅広い分野の地元関係者と意見交換。「『人・間(にんげん)中心』の京都づくりin山城」をテーマに、250人が参加。各分野で活動する地元の人たち6人との討論で、精華町シルバー人材センターの船越昇理事長が「高齢者の経験や意欲を地域社会に生かすには、就労機会の確保が重要だ」と指摘した。宇治市連合育友会の中村健二前会長は、山城地域の府立高校再編について「賛否両論あるなかで、理解が得られるよう十分な説明を」と求めた。
■舞鶴海上保安部など、久美浜湾で航行中のボートが出火、海に飛び込んだ乗員をヘリ(美保航空基地所属)から助けるという設定で海難救助訓練を実施。
■農水省、茨城県水海道市の養鶏場「アレバメントカントウ」で4−6月に鶏計約800羽が死に、動物衛生研究所の検査で、国内初のH5N2型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表。茨城県は同養鶏場の半径5キロ以内で鶏や卵の移動を制限。27日以降、同養鶏場で飼育している約2万5000羽の鶏すべてを処分、鶏舎を消毒する。

6月25日
■京都市、介護老人福祉施設などで入所者らの不安や疑問に答える「介護相談員派遣事業」を拡大することを決め、相談員を新たに10人程度募集する。同事業では、相談員が月2回ほど、1−2人で継続的に特別養護老人ホームやグループホームなどの施設を訪れ、入所者や家族から食事や外出などの生活相談に応じている。

6月24日
■城陽市、初の民間委託となる市立久世保育園の引き継ぎ保育について、新しい園長と主任保育士が7月から週1回、開始することを明らかにした。来年4月の民営化実施までに市が負担する関連人件費は総額750万円を見込んでいる。委託後に中心となる保育士2人は10月から毎日、園に入る。担任となる保育士12人については来年1、2月は週2回、3月は毎日、引き継ぎ保育にあたる。
■宮津市、公共施設の管理を民間事業者に委託する指定管理者制度について、9月定例市議会に関連条例案を提案することを表明。可決されると、来年4月から同制度を導入する方針。宮津市の公共施設は、財団法人に管理委託している市民体育館や、天橋立観光協会管理の旧三上家住宅など計128施設。市は9月までに同制度を適用する施設の選定を行い、10月以降に、管理者を公募する。地域に密着した集会所など、管理団体が特定されるケースについては公募は行わない。
■大阪市、7月に実施する予定だった「定数内特別昇給」について、今後速やかに実施することを条件に当面凍結することで市労働組合連合会(市労連)と合意。市は非公表だったため“ヤミ昇給”と批判を受けた5種類の特別昇給を4月から3種類に絞り、規則として明文化。定数内特別昇給は対象の職員を35%から15%に縮小したが、前倒しの期間は従来の3−6カ月から12カ月に広げた。


6月23日

■イラク南部サマワで、陸上自衛隊の車列付近で爆発。
■京都府の6月定例府議会開会、2億2900万円の一般会計補正予算案など予算関連2件、府の施設に指定管理者制度を導入するための条例関連8件を含む計23議案が提案された。補正予算案は北近畿タンゴ鉄道の安全対策が柱で、列車自動停止装置(ATS)や脱線防止ガード増設に4000万円を計上。教育関係では園部高の中高一貫教育に向けた経費2700万円を充てる。条例関係は指定管理者制度のほか、屋外広告物法の改正に伴い府内業者に登録申請手数料や講習手数料を新設する府屋外広告物条例改正案や府税条例改正案など。市町村合併で来年1月1日に「福知山市」「南丹市」、3月1日に「与謝野町」となる関係市町の廃置分合案も提出。提案理由の説明で、山田啓二知事は「北近畿タンゴ鉄道は府民の安心安全の確保に万全を期す観点から、国の基準を上回る基準でATSを整備する」とした。会期は7月8日までの16日間。代表質問は28、29日。一般質問は30日、7月1日。
■舞鶴市、市や府中丹東土木事務所など関係機関が防災パトロールを行い、山崩れで2人が死亡した下見谷など9カ所の危険個所を点検。巡回した9カ所のうち、7カ所が台風23号で護岸崩壊や山崩れなどがあった場所。参加者24人が2班に分かれてパトロール。参加者はその後、市防災センターで対策会議を開き、視察場所の危険度をA、B、Cなどにランク分けして報告。今後の防災対策として、従来の災害復旧工事で対応するか、新たな処置を行うかなどを話し合った。
■京都府内産の京野菜を認証している「京のブランド産品」の2004年度の売上高は、13億5000万円(前年度比12・9%減)で、認証制度が始まってから初めて前年実績を下回った。昨秋に上陸が相次いだ台風やみず菜など他府県産「京野菜」が市場で急増している影響が出た。府や府内JAグループは、減農薬など栽培方法のこだわりを高めて、巻き返しを図る。
■京都市、市議会建設消防委員会で、昨年8月に庁内組織「公物管理検討委員会」を作り、市内7カ所の市土木事務所のあり方を07年度までに総合的に見直す改革に着手していることを表明。 委員会で、土木事務所の改革に着手したことを報告した。市内の7土木事務所にはそれぞれ3、40人の職員がおり、市道の補修や照明灯、ガードレールの点検にあたっている。
■宇治市役所、沖縄で戦後60年の「慰霊の日」を、戦争犠牲者の冥福と平和への願いを込め、職員や来庁した市民が初めて黙とうし、庁舎前では「平和の鐘」が鳴らされた。
■長岡京市の6月定例市議会、最終本会議を開き、歳入歳出それぞれ1900万円を増額する05年度一般会計補正予算案やJR長岡京駅西口再開発事業に伴い整備された道路の市道認定など計6議案を原案通り可決。
■城陽市市議会本会議、現行京阪宇治バスに補助金を出し、東部循環線(城陽駅−宮ノ谷−城陽駅)と城陽寺田線(城陽駅−寺田駅)を運行しているが、10月末以降は、この2路線をプラムイン線(寺田駅−プラムイン城陽)、城陽団地線(城陽駅−城陽団地−城陽南団地−城陽駅)、高校間線(城陽高−市役所−西城陽高)の3路線に変更する。市が見込んでいる負担額は年間約3500万円。バス路線の変更について、市議から「利用の見込みはあるのか」「費用対効果はどうなのか」などと苦言が相次いだが、バス停整備の関連予算案は賛成多数で可決された。
■日吉ダム、少雨の影響で貯水率が70%を切り、98年に水資源機構のダム管理が始まって以来、この時期では最も低い貯水率となった。

6月22日
■京都府教委、宇治市と八幡市内の府立高を再編し、養護学校を新設する方針について、府民の意見を募集。府立高再編案では城南と西宇治、八幡と南八幡を統合する。城南、西宇治両高は2009年度に統合し、専門学科と普通科を併設する単位制高校とする。八幡、南八幡両高は07年度に統合、福祉系統の専門学科と普通科総合選択制を置く。一方、城南と南八幡両高の校地には府立養護学校を新設し、通学区域の縮小を図る。
■「山城地域の高校統廃合問題を考える会」、府教委に対し、府立高再編方針に関する公開質問状を提出。公開質問状は、府立高再編方針の検討過程や対象校の選定理由、統合校の教育内容、新設する養護学校についての考え方など35項目について、7月1日までに回答するよう求めている。
■関西学研都市の中心エリア「精華・西木津地区」の医療機関として開設された精華町立けいはんな診療所(同町光台)、22日に外来診療を終え、30日に閉所する。近くに民間診療所などが開設され、公的役割を終えたことや赤字運営が続き、開所から8年余りの歴史に幕を閉じる。同診療所は97年1月、学研都市の生活機能充実を掲げて、中核施設「けいはんなプラザ」のラボ棟1階に開所。現在の診療科目は内科のみで、年間約300件の健康診断をしている。
■自民党副幹事長会議、大阪市職員が給与を受けながら組合活動に専念する「ヤミ専従」問題が発覚したのを受け、ほかの地方自治体でも同様なケースがないか全国調査に乗り出すことを決定。調査は当面、都道府県や政令指定都市などの自治体労組を対象に実施し、今秋までに結果をまとめて公表する。


6月21日
■京都商工会議所の村田純一会頭、記者会見で、08年サミットの誘致活動について「関西サミットの枠組みでの要望」とした上で「ビルも電柱も見えない国立京都国際会館や京都迎賓館などがある場所は日本に二つとない」とあらためて京都の優位性をアピール。府と市、経済界で検討中のサッカースタジアム整備構想に関しては「財源の問題もさることながら(府と市、京商による研究会が最有力候補地としている)横大路地区は(京都の中心部から)少し遠く、行き来が不便。場所さえ決まれば進むと思う」と述べ、関係機関の結束を求めた。
■京都府や京都市消防局など、鴨川の洪水を想定した初めての訓練。約200人が参加。
■京都市、「市伝統産業活性化条例(仮称)」骨子案をまとめ。市民の意見を募集し、寄せられた意見を参考に条例案を作り、9月市議会に提案。骨子案は伝統産業を、市内で伝統的な技法を使い日本の文化や生活に結び付いたものを創出する産業と定義。活性化の方向性となる基本理念として▽市場への働きかけ▽技術の革新・継承▽流通の革新・再編▽情報交流の創造▽産地の再構築▽日本独自の文化の継承・創造−の6つを挙げ、基本計画で具体化することにしている。
■城陽市、市職員互助会への公費負担率を本年度より、「1対3」から「1対1」に見直すことを表明。府市町村職員厚生会などの支給事業と重複するとの批判があった結婚祝い金や死亡弔慰金も廃止する。
■宇治市が6月定例議会に提案している指定管理者制度の手続き条例案が、総務常任委員会で継続審査。採決をめぐっては「施設ごとに管理の委託状況が違い、さらに協議が必要」と野党の共産議員が継続審議を主張し、社会と無所属議員も賛同。一方、民主と公明、新世会の与党議員は「選考日程や現在委託先の公社などの対応を考えると来春実施に間に合わせるために採決すべき」と訴えた。多数決の結果、同議案は継続審査となり、28日の最終本会議までに委員会で採決されない場合、会期中の採決は先送りとなる。
■政府臨時閣議、中期的な経済財政政策の指針となる「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太の方針)第5弾を決定。方針は、社会保障給付費の伸び率を抑制するため、膨張する懸念が強い医療費を適正規模に抑える「政策目標」を年内に設定するよう求めた。

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