首長になったら、住民のためにやれることは多い

兵庫・出石町長奥村忠俊さん
 
 45年ぶりの大災害となった出石町の台風23号被災。惨状を前に町長として自分にできることは何だろうと自問した。新米町長に「役場は何をやってる!」と怒りをぶつける町民に、それを一緒になって県や国にぶつけていこうと激励したり、国・県に対して被災者への支援策に500万円の所得制限があるのは不備だと手紙を書いて訴え、結果として800万円に引き上げさせた。困った人を助けることこそ政治の責任、被災された町民のために誠心誠意、町長としてできる限りのことをとりくんでいる。
 出石町は豊岡市との合併が強行されるなか、共産党の町議だった自分が保守の方々から強く押されて町長選に立候補した。コツコツと「出石町の最後のしめくくりに誰がふさわしいのか」を訴えて、事前の予想を覆し当選した。自分はまだ夢をすてていない。「豊岡市と言われれば、出石がある町ですな」と言われるよう、「町づくり町民会議」をつくって、城下町・出石の魅力を最大限生かした町づくりをめざしたい。
 小さな町でも、住民の目線に立てば、そのための予算は見えてくる。「首長が変われば住民のためにやれることは大きい」ということを町長になってあらためて実感した。京都は自分のあこがれ、今度こそ、京都で民主府政を実現し、地方自治の灯台となってほしい。
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