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府立高校が2校廃校!
なんで、なんのために…そこが問題 |
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子どもの中でもランクづけが 「うちの息子は、今年、高校受験なんです。成績はそこそこですが、高校はフツーに家の近所にある地元高校に行こうと思ってるみたいです。両親もお兄ちゃんも地元の高校なんで、ごく自然に。でも、友だちには『なんでA校なん?B校とか他の学校受けへんの?』って言われてるみたいで…。昨年から入試制度が変わって、選択の幅が広がり、子どもたちの中にもランクづけみたいなのができてるようです」。宇治市で高3、中3、小5の3人の子どもをもつ宇治市に住むMさんは言います。 突然のニュース 昨年12月の府議会で、京都府教育委員会は、山城地域の12の府立高校のうち4校を対象にして、2つの高校に再編統合することを公表、1月22日には南北2か所で府民説明会を開催しました。その席で府教委の高校改革推進室長は、再編整備の理由として@多様な進路希望をもった生徒がいるAコース設定や選択科目をきめ細かく行うB部活動等教育活動の活発化C生徒同士の切磋琢磨が必要の4点をあげ、今後、地元の意見を聞いて、手順を踏んですすめていきたいと説明しました。 多様なニーズの実態 「今ある学校がなくなることも大きな問題ですが、統廃合してどんな高校をつくろうとしているか、このことがとても大きな問題だと思います。そりゃあ、喜ぶ人もいるかもしれませんが…」。説明会に参加した水谷さんは言います。 「だって、特色ある学校づくりって、結局、できる子が集まる学校にはトコトン予算をつぎこみ、それを府教委として『売り』にするってことでしょ?西京や嵯峨野高校みたいに、うらやましいような設備で。でもみんながみんな、そんな学校に行けるワケではない。特色ある学校ができる反面、置いてけぼりになる学校ができる。それを多様なニーズに対応した高校というんでしょうか」 そのことを裏づけるように、説明会では、こんな発言もありました。「多少お金がかかっても立派な学校をつくってほしい。4校が2校になるので2校に倍のお金がかけられる…」。また、別の人は「入試制度改革で、がんばればどこへでも行ける、努力すると入試で報われると子どもたちが感じている」「以前なら私学に行くしかなかった子どもたちも公立を希望するようになった。中学生から選ばれる魅力ある学校をつくってほしい」 「選べるシステム」と言うけれど 昨年の入試改革で、山城地域では前期入試(特色・推薦)では2・7倍の競争率、1198人の生徒が不合格になり、中学で進路指導をしている先生たちは大変な思いをされたそうです。「選べる」といっても、パイが少ないワケですから、「選ぶ」と言うより「あきらめる」ことになってしまいます。 また、たとえ、運よく入れたとしても、科目選択に失敗がきかない制度になっているようです。「自分は理系に入ってしまったけれど、日本史もおもしろいことがわかった…」という子どもの「学びたい」気持ちが進路選択でそぎ落とされてしまいます。 「自分の進路を決めてしまうには15歳はまだ早過ぎるのでは」「特色より、普通科を充実させる方向を望む」という意見もたくさんあります。 普通科(T類)がどんどん減らされ、地元の高校に通える子どもたちが減り、遠距離通学や希望しない高校への「不本意入学」がどんどん増える…、高校統廃合よりもこの選抜制度の改善こそが急がれるべきです。 1学年8学級でないとダメ? 今回の2校を廃校する最大の理由は「1学年8学級という適正規模」にするため。しかし、1学年8学級でない学校は全国で75%にのぼり、府教委の基準でいくと全国の高校の4分の3が「望ましくない規模」ということになります。どう考えてもこれは学校整備のためのヘリクツと言わざるをえません。 いま、山城地域では「どの高校がなくなるの?」「○○高校はどうなるの?」といった不安や心配の声が高まっています。「行きたい学校」より「入れる学校」を選ばざるを得ない生徒たち、そのために競争率をどう「読む」か悩む中学の先生たち…、こんな不安、混乱、ストレスを学校現場にまん延させるような高校改革でいいのでしょうか。 「今の高校受験制度は問題だらけ。それがいっそうひどくなるのではと不安です。教育基本法の精神とはあまりにもかけ離れていますよね」。Mさんの言葉が印象的でした。「公立高校」のあり方が問われています。 |
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