府政日誌 2004年2月1日から29日

2月29日
府、家畜伝染病予防法に基づく移動制限の発動で、卵などの出荷が禁止されることになった半径30キロ以内の養鶏場に関して、移動制限に伴う損失の補てんなどに充てるため、本年度の3月補正予算案を編成する方向で検討に入った。
・府、養鶏採卵場を経営する「浅田農産」に対し、家畜伝染病予防法に基づく鶏の殺処分を命令、同社は処理作業に着手。府職員が午前10時、同社の船井農場を訪れ、浅田秀明社長に知事名の命令書を手渡し。作業は約1時間後、白い防疫服を着た府職員と同社従業員ら計約40人で開始。袋に5羽程度ずつ詰め、二酸化炭素を注入して殺し、袋は1つの鶏舎に集め一時保管する。死んだ鶏も順次処分する。府は袋を地中に埋める方針だが、時期や場所は決まっていない。
・農水省、丹波町の浅田農産船井農場の鶏から高病原性鳥インフルエンザのウイルスを検出した、と発表。
・京都市、高齢者のインフルエンザ予防接種に対する助成制度で、今シーズンの利用者が前年の2倍の勢いで伸び当初予算をオーバーしたため、市はこのほどまとめた03年度補正予算案に、急きょ助成費2億4300万円を上積み。助成は65歳以上の高齢者を対象に、インフルエンザの予防接種の自己負担(約5000円)を1000円に引き下げるため、差額を市が支出する制度。
・京都市上下水道局、04−08年度の経営健全化策「中期経営プラン」をまとめ。今年4月に実施する両局統合を軸に、職員158人の削減や物件費節減などで、計516億円の経費を削減する内容。


2月28日

・府知事、高病原性鳥インフルエンザの陽性反応が出た丹波町の浅田農産船井農場を視察

2月27日
・府、丹波町の採卵養鶏場で鳥インフルエンザの疑いがある事例が発生したと発表。養鶏場に対して卵の移動自粛を要請。府によると、養鶏場は十数万羽を飼育し、府に対し「2月20日ごろから毎日約1000羽、合計約1万羽が死んだ」と説明。府南丹家畜保健衛生所、同養鶏場に立ち入り検査を実施。死んだ鶏に鳥インフルエンザウイルスの感染を調べる簡易検査を実施、結果は「陰性」だった。
・府内の採卵養鶏業者でつくる府養鶏協議会、府に対し、在庫の増加が見込まれる卵の保管への支援や緊急融資を要望。
・京都市議会の議会運営委員会、議長が予算・決算特別委員会の総括質疑を区役所・支所などでビデオ放映するなど運営改正を提案。9月議会から実現する見通し。また、現職議員が近く出産するため、議会規則の欠席理由に関する条項を改正することを決定。
・船井郡の園部、八木、日吉3町と北桑田郡美山の4町、北桑田・船井地域任意合併協議会を開催、04年度から4町による合併を前提にした法定協議会に移行することを申し合わせ。
・城陽市議会福祉文教委員会、来年1月に新築移転する市学校給食センターについて、公設民営化を視野に入れた新運営体制の中間案を発表。
・自民、公明両党、幹事長、政調会長らが国会内で会談し、政府が近く国会に提出する国民保護法案や米軍行動円滑化法案など有事関連7法案を一括して審議する方針を決定。
・政府、国家公務員の人事・給与業務の効率化に07年度末までに統一した新システムを導入することをまとめた。
・長野県知事、歳入不足に対応するため職員の「寒冷地手当」約24億円の全額削減を表明。
・東京地裁、地下鉄、松本両サリンや坂本堤弁護士一家殺害など計27人を死亡させた13事件でオウム真理教松本智津夫被告=教祖名麻原彰晃=に対し、求刑通り死刑の判決。
・98年7月、京都府立医科大付属病院の看護師西田和代さんが殺害された事件で、強盗殺人などの罪に問われた元会社役員の判決公判。求刑通り無期懲役。


2月26日
・府2月定例議会一般質問。知事は舞鶴港のガントリークレーン(コンテナ専用クレーン)完成などを踏まえ、「コンテナ取扱量が現在の5割増と大幅な増加が見込まれる」と述べ、舞鶴港振興策の強化を表明。
・府、向日市の雨水貯留施設「いろは呑龍トンネル」工事で、コスト縮減を目的に「入札時VE(バリューエンジニアリング)相互提案型競争入札方式」を初採用したところ、設計価格より約7億円安く、約92%の落札率でJV(共同企業体)が受注したことが分かった。府は「画期的な数字」(指導検査課)として、今後も積極的に採用していく意向。
・福知山市の人口が再び増加。昨年10月に2年ぶりに過去最高記録を更新した後も伸び続け、今年1月末現在で最高の6万9442人に達した。来年3月に三和、夜久野、大江3町との合併が実現すれば、人口は一気に約8万4000人になり、府北部最大の舞鶴市に約9000人差に迫る。
・宮津与謝1市4町合併協議会、新庁舎の位置などをめぐり、合併の枠組みが揺れ「協議準備には時間が必要」との理由で、28日に予定していた全体会の延期を決めた。今後の日程は未定。
・橋本昭男市長、3月定例市会の施政方針演説で城陽市発注の上水道工事に絡み、市の上下水道部長や元市議ら3人が京都府警に逮捕された事件を受け、市民に謝罪。
・民主党京都市議の小川裕樹氏、市会交通水道副委員長が昨年7月から今年1月にかけ、自身の国民健康保険料約37万円を滞納していた。


2月25日
・府の2月定例議会、知事はコイヘルペスウイルス問題について、「(焼却処分など)行政命令による対応とともに、まん延防止のための監視、検査の実施、検査機器の整備にも積極的に取り組みたい」と述べた。
・城陽市、04年度、市消防本部北部出張所(仮称)と市学校給食センターの建設費を工面するため、住民参加型ミニ公募債を発行する。
・京都市、古紙と空き瓶の再資源化を進めるため、04年度から古紙と瓶の拠点回収に対する助成事業を開始。引き取り価格の下落などで存続が危ぶまれる回収制度を再構築し、市民のリサイクル意識の向上を図る。04年度当初予算案に計1700万円を計上。新事業は、50世帯以上の町内会やマンションの自治会など50団体を対象に、市が回収業者のあっせんや制度づくりの助言などをし、市民と業者の双方が、安定的に古紙回収制度を活用できるようにする。瓶の拠点回収は、繰り返して使えるビール瓶や一升瓶などの回収場所をスーパーなど20カ所に新設し、委託業者がまとめて回収する。


2月24日
・府知事、2月府議会代表質問で、先の宮津与謝1市4町合併協議会で、府職員が地域の財政見通しなどを説明したことなどを野党議員が「市町村自治への介入だ」と指摘したのに対し、「地方振興局長らは法定協の委員として発言している。何も発言しなければ、単なる『でくの坊』でしかない」と、強く反論。その上で、市町村合併に取り組む基本姿勢として「規模の大小にかかわらず、行財政基盤を充実し、自立を目指そうとする市町村を積極的に応援したい」と述べた。
・府知事、2月府議会代表質問で、04年度の地方財政計画で地方交付税が2兆9000億円削減されたことについて「地方自治体への説明や意見を聞くこともなく行われた点では、総務省と財務省の『談合』と言われても仕方がない」、地方交付税の削減が「(国・地方財政の)三位一体改革の影に隠れ、年末のどさくさの中で決められた」と批判。「さらに(財源捻出のために)地方の単独事業が減ったからといって、地方交付税を減らされれば、(05年度予算を編成する)来年度は死活問題となる。国による地方の行財政改革の横取りだ」と述べた。
・府の2月定例議会本会議、代表質問。知事は、私立高校の授業料減免事業について、現行3分の2の補助率を2004年度から6分の5に引き上げる方針を表明。「経済的理由から生徒の修学の機会が失われることのないように支援したい」と。
・府、京田辺市水取に有害物質硫酸ピッチのドラム缶800本が不法投棄されている問題で、廃棄物処理法に基づく行政代執行による撤去作業を開始。撤去費用の見込み額5200万円は、作業後、業者に全額請求。
・京都市、04年度当初予算案を発表したが、国と地方の税財政のあり方を見直す「三位一体改革」によって大幅削減される国庫補助金の内訳が、現時点でもはっきりしておらず「予算計上した事業に補助金がつかない恐れがある」(市理財局)という異常事態。「地方分権」のかけ声とは裏腹に、自治体が国の「強権」に戦々恐々としている実情。
・京都市、経営難に直面している地下鉄事業を一般会計で救済するため、約57億円の支援費を04年度当初予算案に初めて盛り込んだ。03年度末の市地下鉄事業の不良債務は261億6200万円。利用客数の低迷や、1キロ当たり240−300億円かかる地下鉄の延伸工事を、六地蔵−醍醐間(総事業費612億円)と二条−天神川間(同745億円)の2カ所で実施していることなどが響き、04年度末の不良債務は292億6300万円に増える見込み。
・小泉首相、来日中の国連のアナン事務総長と首相官邸で会談し、イラク復興問題や国連改革、北朝鮮対応について意見交換。


2月23日
・京都市、発表した新年度予算案の編成にあたって、430事業を見直して約100億円を削減。夏恒例の「ちびっこプール」や市民スポーツ教室、生活保護受給者への見舞金などを廃止、保育所や老人福祉施設への助成金なども大幅カット。
・京都市、救急や消防力の向上を目指し、老朽化した消防ヘリコプター1機を更新。高度救急機能や地理情報システム(GPS)などの最新機能を備える計画。ヘリと消防局を結ぶ映像電送システムと合わせ、本年度補正予算案と新年度予算案に整備費13億5000万円を盛り込んだ。
・京都市、2月定例議会に提出する議案を発表。04年度当初予算案関連では6552億2700万円に上る一般会計など20件、2003年度補正予算案関連では7億5500万円を増額する一般会計など11件、建築物バリアフリー促進条例の制定など条例関係37件を含む計105件が提案される。
・厚生労働省、厚生年金の保険料を18・30%(現行13・58%、労使折半)まで引き上げる公的年金制度改正法案に基づき、世帯別と世代別による負担と給付の試算をまとめた。政府・与党が掲げた給付水準50%(現役世代の手取り年収に対する比率)を2025年で維持できるのは、妻が専業主婦の世帯だけで厳しい結果となった。
・人事院総裁、衆院予算委員会で、国家公務員の給与水準を退職時に引き上げ退職金をかさ上げする「特別昇給」について、「廃止を含め検討する」と述べ、基本的に全廃する方針を明らかにした。長妻昭衆院議員(民主)の質問に回答。


2月22日
・府、お年寄りが住み慣れた地域で、家庭的な高齢者サービスを提供を目的に、空き家などを地域介護の拠点施設として再生する「ふれあいホーム」づくりへ新年度当初予算案に、事業費2000万円を盛り込んだ。新年度は府内で4カ所の整備を予定。改修費は各1000万円で府は半額を助成、残りを各市町村と社会福祉法人が折半。

2月21日
・府、4月1日の施行を目指す「府男女共同参画推進条例」案の骨子に対し、府民から寄せられた意見(パブリックコメント)の募集結果を公表。府の条例案に対する意見としては過去最多の延べ531件。主な意見では、同条例案の前文に「『性別にかかわりなく』を明記するように」と、性別による役割分担を否定する意見が寄せられた一方、「子どもは母親がみるべきなど性別による役割分担は大切」と、肯定する見解もあった。また、「『男・女らしさ』を否定した学校教育に反対する」といった意見も多く、このテーマを教育と関連づけてとらえる傾向がみられた。
・京都生活協同組合、山城養鶏生産組合(京都府城陽市寺田)が半年前の卵約5万個を偽装表示し出荷していた問題で、同組合に無期限の取引停止を通告、近く損害賠償請求すると発表。
・亀岡市、残土条例の対象を強化する改正案を3月議会に提案する方針を固めた。
政府は21日、地域再生のための国の支援策を「地域再生法」として一括法案にまとめ、今国会に提出することを断念、次期国会以降に先送りする方針を決めた。
・総務省、現行の市町村合併特例法の期限となる05年3月以降も、09年度までに合併する場合は地方交付税を優遇する措置を継続することを決定。

2月20日
・綾部市国民健康保険運営協議会、来年度の一般被保険者の国保料(医療分)を本年度比7・8%引き下げ、介護分は同14・1%引き上げるよう、綾部市長に答申。

2月19日
・府の2月定例議会、開会。、一般会計8032億500万円の2004年度当初予算案など予算関連16件や、府産業廃棄物条例案など条例20件など計38議案を提案。会期は3月26日までの37日間。
・福知山市と三和、夜久野、大江3町の法定合併協議会、第8回協議会を開催。45人の委員が出席し、農業集落排水など各種下水道事業について料金設定や整備方針などを確認、国民健康保険事業の取り扱いを審議、委員会付託。
製造業への労働者派遣を解禁するなど、対象業務や派遣期間を大幅に拡大した改正労働者派遣法の3月1日施行に伴い、連合は19日、違法な労働者派遣を防止するため、経営側との事前協議を原則とするよう傘下の労組に求める総合的な対策指針をまとめた。
・城陽市発注の上水道配水管敷設工事の入札で、市上下水道部長と前市議、業者が競売入札妨害の疑いで京都府警に逮捕。
・福知山市と三和、夜久野町との合併協議に関する大江町の住民説明会、住民約70人が参加、町を代表する協議委員への不満や、合併の是非を問う住民投票の実施を訴える声があがった。


2月18日
・府、鳥インフルエンザに感染した問題で、府内の養鶏農家などに対してあらためて聞き取り調査をした結果、異状がないことを確認したと発表。
・宮津与謝1市4町合併協議会、新庁舎問題についての協議中、委員の太田貴美野田川町長は「1市4町の枠組みでは合併は困難」と、同合併協から離脱する意向を明らかにした。庁舎問題は一応、継続審議となったものの、太田町長が離脱の方針を示したことで、協議会の枠組みは白紙になる可能性。
・京都市、伏見区醍醐に計画の「援護寮」を含む「精神障害者生活訓練施設(仮称)」の整備事業を中止と発表。1度は用地売却を了承した地権者が「地域事情」などを理由に翻意したため。
・京都市、京北町との編入合併に関する市民アンケートの結果をまとめ。市民の6割近くが合併に「関心がある」と答え、「京北町の豊かな自然環境を活用した施策に期待する」との意見が多く、一方で、新たな財政負担が生じないよう努めることや、積極的な情報公開を求める声も多い。
・超党派の「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」(代表世話人・武見敬三自民党参院議員)、中曽根康弘元首相を講師に招いて国会内で総会を開き、改憲問題で本格的な議論を開始。


2月17日
・京都府内44市町村の財政担当者らによる「緊急財政対策会議」、国・地方財政の「三位一体」改革に伴う地方交付税削減などによって、地方自治体の04年度当初予算案の編成が難航している現状について協議。会議には府職員や各市町村の財政担当者ら約50人が出席。三位一体改革の影響で、京都市を除く43市町村の地方交付税削減額が約130億円に及ぶことなどを府の担当者が紹介。市町村の出席者からは、財政調整基金などの基金の取り崩しや人件費抑制、補助金の一律カットなど、交付税削減で生じた不足財源の穴埋め策が報告。最後に、三位一体改革について、地方財政見通しなどの早期公表と地方の意見の反映、的確な財源保障を求める緊急提言を決定。
・府は4月から、外国人研究者や留学生の居住を支援するため、府営住宅に外国人研究者らの優先入居枠を新設。府民から要望の多かった父子家庭やDV被害者の優先入居も初めて実施する。2004年度当初予算案に約30戸分の整備費約1800万円を計上。
・京都市長、定例記者会見で04年度当初予算案の概要を発表。一般会計の予算規模は、03年度当初比84億円(1・3%)増の6552億円で、5年ぶりのプラス予算とする。ただ、税収の低迷や政府の地方交付税削減などで、ピークの1999年度と比べて約650億円も縮小している。一方で市債残高は前年より280億円近く増える見通しで、引き続き厳しい財政運営となる。年末に決まった政府の「三位一体」改革で、地方交付税と臨時財政対策債の合計が当初の見込みより125億円も大幅に減額となることが決まった。
・「丹後区域商工会広域連携推進検討会」、将来的に6商工会が合併する、との方針を決定。当面は、合併準備や補助金などの関係から、広域連携を進め、その後に合併を具体化させる。現在、各商工会は府の補助で計45人の職員を雇っているが、合併後は補助基準から試算すると、職員定数が17人程度にまで減少する。
・自民党、国家公務員共済組合年金(国共済)と私立学校教職員共済年金についての改正法案をそれぞれ了承。厚生年金に準じた内容だが、国共済改正案は将来の統合を目指して地方公務員共済組合(地共済)と財政を一本化する仕組みも導入。政府は20日に閣議決定。国共済の具体的な保険料率(現行14・38%、国と折半)は今後、組合の定款で定めるが、厚生年金の最終保険料率18・30%に準じて段階的に引き上げる。地共済の保険料率(現行13・03%、地方自治体と折半)との差も段階的に解消し、09年に同一の保険料率にする。
・警察庁の吉村博人官房長、衆院予算委員会で、共産党の吉井英勝氏の質問に北海道警の不正支出疑惑で既に死亡した人の名前が報償費の受取人として領収書に使われたことに絡み「一般的に死亡した人の名義を使うのはおかしいと思う」と述べた。
・丹後地方の今後の道路整備のあり方を考える「丹後地域みちづくり懇談会」(国交省近畿地方整備局主催)、丹後1市10町の首長らが、丹後の道路事情などについて国側と意見交換。
・近畿自動車道舞鶴線建設促進同盟、舞鶴市内のホテルで総会を開催。当初の目的を達したとして本年度末での解散を決定。


2月16日
・府、10年の目標に掲げる「観光客8000万人」の達成に向け、経済成長の著しい東アジアを中心とした外国人観光客を獲得するため、観光案内所の設置や個人旅行のコース提案な策。04年度当初予算案に総額7000万円の関連経費。04年度当初予算案で、京都駅ビル9階の府国際センター内に、「外国人観光インフォメーションセンター」を新設、専門職員2人を常駐させる経費1500万円を計上。また、独立行政法人「国際観光振興機構」などと連携、京都を中心とした個人旅行の新たなコース提案や、京都の伝統産業を肌で感じることができる体験工房なども検討。携帯電話を使えば、外国語の観光ガイドが入手できるサービスを具体化するための調査研究費。府観光・商業課によると、02年に京都で宿泊した外国人観光客は49万人。米国の13万人をトップに、台湾7万3000人、韓国5万2000人、中国3万人。特に、中国については、00年に一部の大都市からの日本への団体観光ビザが解禁されたこともあって急増している。
・近畿ブロック知事会(会長・山田啓二京都府知事)、財務省や総務省などに対し、国・地方財政の「三位一体」改革に伴う地方交付税などの大幅削減について、見直しを求める緊急提言。提言では、各地方自治体の予算編成が大詰めを迎えている段階で、地方交付税などが削減されたことについて「地方の意見を十分聴取することなく断行され、国の財政再建優先、地方切り捨ての発想に基づく」と批判。その上で、地方財政見通しと同改革の具体的内容の早期公表や、国が地方に義務づけている事務事業に応じた財源の確実な措置を求めた。
・府04年度から、減農薬・減化学肥料の地場産米を「京都環境こだわり米」(仮称)と銘打ち、生産支援。農水省の米政策の転換で産地間競争の激化が予想されるため、消費者ニーズに沿った高品質の「売れる米づくり」を目指す。経費2000万円を04年度当初予算案に計上。
・京都市、昨年6月に募集し、10月から実施している「国民健康保険はり・きゅう・マッサージ施術費助成事業」の申込者数が、定員1万人に対し、1割にも満たない866人しかいなかったことが分かった。
・桝本頼兼市長、京都市役所に初登庁。市政刷新に向けた決意を新たに。市役所前広場で開かれた登庁式には、支持者や市議、市職員ら約1000人が出席。
・福知山市と三和、夜久野、大江3町の法定合併協議会、第3回総務・企画・議会小委員会を開き、議員の定数や任期について本格的な協議を始めた。市側の委員は定数特例による各町定数2の増員選を支持したが、編入される3町側は現市議の改選時まで各町議が残る在任特例を主張、意見が分かれたため、継続審議。
・宮津与謝1市4町の合併で新庁舎の位置や方式を巡って、同合併協議会新市建設計画策定小委員会の協議が難航している問題で、同小委の民間委員5人、各市町の損得勘定ではなく、新市民のための議論をしてほしい、などとする要望書を協議会長の小西英雄加悦町長に提出。
・福知山市、三和、夜久野、大江3町との合併協議についての住民説明会を開催。周辺住民約60人が出席し、住民サービスの低下や行財政基盤の悪化などを懸念する声が相次いだほか、合併の是非を問う住民投票の実施などを求める意見も出た。
・宇治市、一般会計535億1000万円、特別、水道企業会計を合わせた総額995億3200万円の2004年度当初予算案を発表。一般会計は前年度当初比で2・5%増えたが、減税補てん債の借り換え経費を差し引くと実質0・5%減の2年連続減額予算となった。市税収入が落ち込み、土木費などを削減する一方、産業支援や生活関連事業に重点を置いた。23日開会予定の3月定例議会に提案。


2月15日
・八幡市長選、投開票され、現職の牟礼勝弥氏=自民、公明推薦=が264票差の小差で再選。

2月14日
・府立医科大付属病院、府内在住の急性心筋梗塞の男性患者に、血管になる「幹細胞」を患者の血液から分離してそのまま注入し、血管を再生させる治療を世界で初めて実施した、と発表。
・亀岡市発行の「公報」が1月に掲載した市長選挙の報告書で、寄付をした和知、美山の両町長の名前が、前職と取り違えて記載。市選管に亀岡市長選候補の出納責任者が提出した報告書に誤りがあり、市側も誤記に気づかないまま印刷、配布。市は、15日発行の次号に訂正文を掲載。誤記があったのは03年11月の市長選の栗山正隆候補(現市長)の出納責任者が提出した「選挙運動に関する収支報告書要旨」。
・地域でスポーツ活動などをしている亀岡市民でつくる「学校施設有料化に反対する市民の会」、白紙撤回を求め意見書提出の方針。市は、体育館・グラウンドの使用料(1回200円)と電気料金を徴収する方針で、3月定例議会に関連条例案の提出を予定。

2月13日
・イラク南部サマワ中心部で、迫撃弾2発による攻撃について、地元治安当局者は、自衛隊員を含め死傷者はなかったという。フセイン政権崩壊後、サマワで重火器使用の市街地への本格攻撃は初めて。発射装置が最初の着弾地点から約2キロ北方で見つかった。地域の治安悪化は明確になり、後続部隊派遣など陸自の今後の活動への影響は必至。

2月12日
・京都府、一般会計8032億500万円、特別会計、企業会計を合わせ総額1兆664億6100万円の2004年度当初予算案を発表。不況による府税収入の低迷と地方交付税の削減などで、一般会計は前年度当初比1・6%減となり、3年連続のマイナス予算となった。徹底した事務事業の見直しで歳出を抑える一方で、11件の「全国初」を含む103件の新規施策を打ち出した。山田啓二知事は「府の未来づくりと財政健全化を進める」としている。19日開会の2月定例府議会に提案。
 また、府内の7割を占める中小企業の資金繰りを支援するため、中小企業金融対策費として、金融機関に預託するかたちで総額485億円を確保。企業の代表者に連帯保証を求めず、赤字企業も対象に入れた全国初の無担保・無保証人融資に乗り出す。
 府教委分は総額1998億9900万円で、前年度当初比1・03%減。少人数教育推進事業に78億2800万円を盛り込んだ。担任教諭に加えて778人の教諭を小中学校に配置し、市町村教委が裁量で従来の少人数授業や複数教員授業のほか、少人数学級を選択できるようにする。小学1、2年生で実施している2人教員指導制については、30人以下の学級でも各学校の実状に応じて弾力的に運用できるようにする。情報教育では、「e−スクール推進事業費」として1億2400万円を計上。府立高校の各校にノートパソコン2台などを配備、専門家を府立学校に派遣して、コンピューターを活用した教育環境の整備を進める。
・舞鶴市議会、民生労働委員会を開き、市立舞鶴市民病院の内科医師の大半が、すでに退職するか辞意を明らかにしている問題について、市と病院側から説明を受け、問題の早期解決を求める要望書を、江守光起市長と田中明院長に提出。
・丹後6町、4月に6町が合併して誕生する「京丹後市」の管理職となる幹部職員の人事異動を発表。部長級19人、課長級72人、課長補佐級121人の計212人で、各町は「組織の円滑な推進と効率的な執行体制を最大限考慮した」としている。発令は4月1日。
・宇治市で1万5000人近くの署名による直接請求の乳幼児医療費無料化条例案、臨時市議会で審議され、賛成少数で否決。財政負担の重さなどを理由に「条例制定の必要なし」とした久保田勇市長の意見と同様に、自民、民主、公明、新世会の与党4会派が条例案に反対。


2月11日
・京都市は「市民参加」の取り組みや進ちょく状況をまとめた初のリポートを作製。一昨年末に策定した市民参加推進計画に基づくパブリックコメント(市民意見募集)の実態、市民主体のまちづくり活動などを報告。
・「京丹後市」の初の市長選に、濱岡六右衛門網野町長=無所属=が立候補を表明。市長選は、4月1日の合併後、50日以内に実施。
・自衛隊のイラク派遣に反対するデモ行進「ピースウォーク」(福知山平和委員会など主催)、京都府福知山市で開催。参加者約80人。

2月10日
・京都府環境審議会、廃棄物の排出を抑制し、再利用を促進するため、産業廃棄物税を導入するとの府の方針を了承。これを受け、府は条例化による税導入を目指す。
・「京丹後市」となる丹後6町で、各種団体の再編に向けた動きが活発化。6町の社会福祉協議会が4月に合併して「京丹後市社会福祉協議会」(事務局・市丹後庁舎=現丹後町役場)となるのをはじめ、観光協会やシルバー人材センターなども合併・統合に向けて協議、検討。
・弁護士らでつくる住民団体「市民ウォッチャー・京都」、京都市に対し、同和補助金を不正受給した自治会が市の返還請求に応じていないのは問題として、市に監査請求。同和補助金調査の最終報告で、不正な受給を指摘された団体のうち、1自治会だけが、いまだに市の返還請求(延滞利息を除き1168万円)に応じていないとして、提訴を含む損害回復措置を京都市長に求める。
・自民党、自衛隊イラク派遣の承認案件の衆院本会議採決を棄権した加藤紘一元幹事長の処分を、当初検討していた役職停止3カ月から戒告に軽減する方針。棄権した古賀誠元幹事長、欠席した亀井静香元政調会長も同じく戒告。安倍晋三幹事長が12日、3氏に通告。

2月9日
・府知事、無年金の在日外国人の障害者や高齢者に対し、04年度から緊急支援を行う。
対象は77歳以上の高齢者が820人、障害者が120人。それぞれ月額5000円、1万8000円を支給する。府は04年度当初予算案に事業費として7800万円を盛り込む。
・木津土木事務所、京都府精華町の府道枚方山城線開橋側道橋設置工事で、木津川の土砂を無断で搬出したとして、工事を請け負っていた同町内の建設業者2社で作る特定建設工事共同企業体(JV)との契約を解除。
・福知山市が、市内136農区を対象に実施した水田農業に関するアンケートによると、4分の1の農区にすでに荒廃地があり、約6割の農区で将来の荒廃地発生を懸念していることが分かった。高齢化による後継者不足から、水田の維持管理が難しい状況とみられ、農区は生産調整や土地集積、農地保全など幅広い項目について行政などの支援を求めている。
・亀岡市、4月1日付で行う新年度の機構改革の概要を発表。市立病院の開院(6月予定)に伴い、特別職として「病院事業管理者」のポストを新設。また、市長部局に「国保年金課」を設け、健康保険と年金の窓口を統合して市民の利便性を図る。市立病院の組織は、管理、診療、診療技術、看護の計4部で構成し、その下に2課17科を設ける。医療スタッフは常勤医師15人、看護師54人、技術者14人の計83人。市長部局では、主に健康福祉部の組織を変更。健康増進課を除く5課の名称や担当業務を改め、こども福祉課、社会福祉課、障害福祉課、高齢福祉課を設ける。病院開設課は廃止。また、環境市民部に「国保年金課」を新設し、これまで別々だった国民年金と国民健康保険・老人保健の業務を統合。窓口を1本化。そのほか、上下水道事業を所管している公営企業部を「上下水道部」と改称。16日開会予定の市議会臨時会に、関連の条例改正案を提出。
・福知山市議会、全議員で構成する市町村合併特別委員会を開き、合併方式や市役所の位置など基本4項目が決まった三和、夜久野、大江3町との合併協議について市から説明を受けた。市は今月16日から住民説明会を開き、市民の意見を募る方針。
・連合・経済同友会、公的年金制度で保険料引き上げと給付削減を柱とする政府案への反対で労使が一致。「政府の改革案を撤回させる国民運動を盛り上げたい」(草野忠義・連合事務局長)。「政府案をつぶすことを応援したい」(渡辺正太郎・経済同友会副代表幹事)。
・イラク南部サマワの陸上自衛隊派遣部隊、前日到着した本隊第1陣の隊員らが、さっそく宿営地建設に向け予定地を視察。本隊第1陣の残る隊員らも、重機を積んだトレーラーなどとともに陸路、クウェートから国境を越えイラク入り。オランダ軍キャンプ・スミッティに到着。
・イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊派遣の承認案件、午後の参院イラク復興支援・有事法制特別委員会で自民、公明両党などの賛成多数で可決。野党の民主党などは反対。この後、同日夜の参院本会議で可決、承認。

2月8日
・京都市長選挙結果。桝本 頼兼氏3選。
    広原 盛明 174,847
 当 桝本 頼兼 231,822
    新井 信介  25,090

2月7日
・京都市選挙管理委員会、市長選の期日前投票数をまとめた。告示翌日からの13日間で、3万9103人が投票。前回選挙(2000年)の不在者投票者数に比べて5255人、15・5%増えた。期日前投票は、従来の不在者投票に代わり、府内の選挙では初めて導入。
・市立舞鶴市民病院、産婦人科の医師が不足し、出産や、妊娠した人の診察などをする産科を昨年6月から休止していることが分かった。病院側によると、産婦人科には2人の医師が勤務していたが、昨年5月末、産科担当の医師が他府県の病院に移るため辞職。
・共同通信社全国電話世論調査、自衛隊派遣に賛成する人が1月中旬の前回調査より5・5ポイント増の48・3%で、6・5ポイント減の反対45・1%を上回り、賛否が逆転した。内閣支持率は前回から3・7ポイント下がり48・8%、不支持率は0・9ポイント増の40・8%。
2月6日
・大津市職員労働組合連合会、大津市長が04年度から市役所の市民課や支所を土日曜も開庁させることを表明している問題で、職員の週休2日制を堅持し、人員削減をしない前提で「市民の利便性が改善されるという点で基本的に賛同する」との考えを機関紙で表明。市は7日の庁内協議で開庁方法を検討する。

2月5日
・イラク派兵反対の意見広告、毎日新聞に掲載。
・久保田勇宇治市長、通院時の乳幼児医療費無料化をめぐり、住民の直接請求による条例案を審議するための臨時市議会が12日に開かれるが、地方自治法の定めで同条例案を上程するが、財政負担の重さなどを理由に「条例制定の必要なし」との意見を添える。
・府教委、府立の盲、聾(ろう)、養護学校全校に、非常通報装置が設置。学校への不審者侵入事件が相次ぐなか、子どもの安全を確保する施策の一環として取り付けた。設置されたのは、中丹養護など10校と盲学校舞鶴分校など4分校。総費用は約850万円。
・京都市、市内の大学・短大を対象にした03年度学校基本調査の結果を発表。短大生を除く大学生の就職率が50・5%と過去5年間で最も低くなる一方で、大学院などへの進学率は13・4%と最高。調査は市内の大学、短大36大学が対象。短大生を除く大学生の卒業総数は2万9005人で、うち就職者は1万4645人だった。前年度の1万5475人と比べ830人少なく、就職率は2・8ポイント減少。
・小泉首相、参院イラク復興支援・有事法制特別委員会で、自衛隊イラク派遣に関連し「先生方が『自衛隊は戦争に行くんです。憲法違反です』と(生徒に)言ったら問題がある」などと、教育現場への「介入」とも取れる発言を繰り返し。
・自民、公明両党の厚生労働部会、2004年年金改正関連法案を了承。政府は同法案を10日に閣議決定し、今国会に提出、6月中旬までの会期内成立を目指す。

2月4日
・福知山市と三和、夜久野、大江3町の法定合併協議会、第7回協議会を府立中丹勤労者福祉会館で開き、住民説明用資料の内容などを確認。協議の難航で遅れていた住民説明会は、今月中にも1市3町で一斉に始まる見通し。

2月3日
・府、新型肺炎(SARS)患者の発生に備えるため、京都府内の病院や保健所によるSARS患者の移送実地訓練を初めて行った。
・市立舞鶴市民病院の副院長、3月での退職を表明。他の内科医師13人中12人が退職するか辞意を申し出た問題で、病院側が人工透析を3月ごろに休止することを決めたり、学校健診への医師派遣を来年度は見送るなど、診療体制にさらに影響が出ていることが判明、患者の間に不安が広がる。
・久美浜町議会、臨時会を開き、下水道整備事業に伴い、架空のビニールハウスの移転補償費が地権者2人に不正に支払われ、町が返還を求めていた問題で、町から提案のあった地権者2人と金銭和解する議案を可決。
・総務省、地方自治体が財政難の中でも必要な事業を確保できるよう04年度から新設する地域再生事業債の発行条件を決定。

2月2日
・前亀岡市助役の田中潤氏が逝去。
・亀岡市、年々かさむ介護保険料の未納額を減らそうと、徴収体制を強化することを決め、徴収嘱託員14人に辞令交付。
・八幡市長選で、共産党と市民団体「市民のための市政をすすめる八幡市民の会」は、元市理事の福田勇氏を支持する方針を固め、3日に正式発表。
・木津町、高齢者や障害者が公共交通機関を利用する際、利便性と安全性向上を実現するため、基本的な考え方や整備方針を示した「町交通バリアフリー基本構想」を策定。山城地域では初めてで、2010年度までの整備完了を目指す。
・小泉首相、宮崎県の高校3年の女子生徒がイラクへの自衛隊派遣に慎重な対応を求める首相あての請願書と署名を提出したことについて、自衛隊がイラクで平和的貢献をすることを学校で教えるべきだと指摘、教育現場に異例の注文。首相は請願書を「読んでいない」と断りながら、教師が自衛隊の「平和的貢献」を教えることが「いい勉強になる」と指摘。「自衛隊は平和的に貢献するんですよ。その辺を学校の先生もよく生徒さんに話さないとね」などと強調。内閣府によると、署名は女子生徒が集めた5358人分で、2日に生徒が提出した。請願書は「自衛隊派遣でない方法でイラク支援にあたってほしい」との内容。
・国会、衆院での自衛隊イラク派遣承認案件などの与党単独採決に反発する野党が参院予算委員会の出席を拒否、終日空転。

2月1日
・大阪府知事選挙、太田房江氏再選。
・自民党、自衛隊イラク派遣承認案件の衆院本会議採決の際に、棄権した加藤紘一、古賀誠両元幹事長を何らかの形で処分する方針。