京都地方労働委員会の第40期委員の任命が、9月22日に行われました。京都府は、京都総評や公正な任命を求める府民の声、ILO勧告を無視してまたもや連合京都の推薦者が独占する異常な任命を行いました。京都総評は、直ちに抗議声明を発表しました。

 京都総評の抗議声明

 貴職は、本日(9月22日)、京都府地方労働委員会・第40期委員の任命をおこなった。今回の任命でも京都総評が推薦した者を排除し、連合京都の推薦者で独占するという暴挙をおこなった。京都総評は、このような異常な不公平で侮頗な任命に対し、強く抗議する。
 京都総評は、この間、第39期の任命処分に対して、その取消しと損害賠債を求めて確率してきた。京都地裁では、残念ながら敗訴したが、この判決は、「原告適格」がないと門前払いするとともに、違法性の判断を避けたものである.しかし、この判決でさえ.「全国の労働運動において、路線や運動方針をめぐり連合系と非連合系との対立が生じ、特に京都府内おいては、連合京都と原告京都総評との各加盟労働組合の組合員数がほぼ括抗している状況にあることにかんがみると、労働者委員が専ら連合京都の加盟労働組合が推薦した候補者の中から任命されるという事態が長期間にわたって継続すれば、偶然の結果によるものとはにわかに認め難く、労働者委員の任命が公正公平に行われているがどうかについて疑念が生じかねないともいわざるを得ない」と述べている。
 こうしたことが判決文に入ったのは、いうまでもなく労働委員会制度のあり方からくるものと考える。そもそも労働委員会制度は、日本国憲法と労働組合法にもとづき、使用者による不当労働行為から労働者・労働組合を救済するなど、労働者の労働基本権を守るための制度である。そして、不当労働行為の中でも、組合間差別や対立組合の一方に使用者が肩入れしている事案など、いわゆる労労間の対立が存在している場合などは、申し立て組合が潮流の違う労働者委員に信頼を置くことができず、労働者委員の参与委員としての重要な役割を期待することができない。こうした場合、労働委員会の機能は著しく低下せざるをえないと言わざるをえない。
 そのため、労働者委員の任命に関しては、旧労働省54号通牒が存在するとともに、ILOがこの間数回にわたって結社の自由を侵害するものだとの勧告を出してきたのである。いうまでもなく54号通牒は「委員選考にあたっては系統別組合員数に比例させること」と求めている。また、ILO勧告では、例えば2003年3月勧告では「労働者委員会及び他の審議会における構成の公平性に対するすべての労働者の信頼を回復するために、結社の自由原則にもとづいて、すべての代表的な労働組合組織に公平で平等な待遇を与えるために適切な措置を講ずる」ことを日本政府と関係者に求めている。
 私たちiま、貴職の今回の任命は、明らかにこれらの諸原則に反する、不公平で偏頗なものだと考える。私たちは、貴職にあらためて公平な任命を要求するものである。


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