新作落語「エンマの願い」

落語作家・笑工房代表 小林康二


 エー、今日は落語のお話を、と申しましても「ご隠居」や「熊さん」が登場する噺ではありません。過労自殺した若い労働者を、極楽に送るか地獄に落とすかを決める「あの世の関所・エンマの庁」の物語。

 たとえ自主的な残業でも、使用者に残業手当支払義務がある「黙示の指示」や、「業務に支障」を理由に有給休暇の時季を変更するのは労基法違反であることを解説し、過労死防止法制定に貢献した過労死家族の会の紹介等、笑いと涙と学習落語です。

 読者の皆様に限りまして予告編をお届けします。

 時は21世紀初頭、日本は過労死が絶えません。何とか、国連から日本政府に「過労死防止勧告を」と、家族の会が国連におしかけまして……。

 「アイアム・ジャパニーズ過労死ファミリー、オッケ、よう聞いてや、ジャパン・カンパニー、ロングロングワーク、その結果、ワーカーバタンキュー・アウト、どうかバタンキューストップ勧告プリーズ、何です、チンプンカンプン……。」

 それでも「女の一念岩をも通す」。2011年国連人権委員会は日本政府に過労死防止対策を勧告、14年には全党一致で過労死防止法成立、政府は、翌15年過労死防止大綱を閣議決定。あの世で、これをご覧になった閻魔大王が……。

 厚生労働省主催の過労死防止シンポジムで、芸歴35年の桂福車が、「エンマの願い」として、11月10日奈良、11日大阪、12日岡山、22日兵庫で演じます。入場は無料です、ぜひお運び下さい。

 丁度、お時間のようで。  (連合通信