「竹中平蔵の高笑い」

落語作家・笑工房代表 小林康二

 厚生労働省の労働政策審議会が1月29日、現在は3年が限度の派遣労働の職場を、労働者の入れ替えで永久継続できる改正法案を厚生労働大臣に提出した。

 それを財政的に支える労働者移動資金助成金も来年スタートする。財源は中小企業が不況期の雇用維持に活用してきた雇用調整助成金(今年1175億円)を半減して充当するのだ。これに大喜びしているのがパソナ等の人材派遣企業で、一時衰えを見せた派遣業が、息を吹き返すことは必至だ。

 さらに、低賃金で解雇が容易な限定正社員(ジョブ型雇用)や、残業代なしで長時間労働が可能な「雇用特区(ブラック特区)」も政府内で計画されている。

 こうした一連の規制緩和は、安倍首相の「戦後レジームからの脱却」「日本を企業が最も活動しやすい国」への具体策だけに執拗だ。

 一方、労働法の規制緩和を安直に許す背景には25年前の連合発足がある。憲法が保障する労働三権は団体行動権の行使によって担保されるが、連合はこれを放棄し続けた。その結果、連合は政府・財界から軽んじられ今日の体たらくだ。

 総じて規制緩和案は、慶応大教授の竹中平蔵や楽天会長の三木谷浩史らが委員を務める政府の「産業競争力会議」等、各種審議会から提言させる。竹中は慶応大教授の他に人材派遣大手のパソナ会長に就任し「年俸は1億円」(佐高信著『安倍政権の10の大罪』)稼いでおり、派遣労働者を食い物にしているのだ。

 「ハハハハ、ハケンはボロい」と竹中の高笑いが聞こえるようだ。彼こそ、根っからの真自分主義者だ。