「組合憎しは通用しない」

落語作家・笑工房代表 小林康二

 「コンビニ店主は労組法上の労働者?」を争点にした不当労働行為事件で、岡山県労働委員会は3月20日、セブンイレブン本社に「コンビニ店主らも労組法上の労働者」であり、店主らを組織するコンビニ加盟店ユニオンとの「団交に応じるよう」命令した。

 一口に「労働者」と言っても、労基法が「事業に使用されて賃金を支払われる者」とするのに対し、労組法は「他人との間に使用従属関係に立って労働に服し、報酬を受けて生活する者」(昭23・6・5・労発262号)と、憲法28条の労働三権重視の立場から労働者を広く認定している。

 裁判所や労働委員会もプロ野球選手・審判、映画・演劇俳優、自前の車で運送請負をする「一人親方」等、労基法が適用されない者も労組法上の労働者と認定。僧侶たちが待遇改善を求めて組合結成し団交を申し入れたが、寺側がこれを拒否した教王護国寺事件でも、京都地労委は「僧侶も労組法上の労働者」と寺側に団交応諾を命じている。

 問題は団交だ。労組法は団体交渉の目的を「労働協約を締結するため」(第1条)と定めており、使用者が交渉の席に着いただけでは「団交に応じた」とは見なさない。一致点を探り労働協約を締結する真面目な態度が無ければ、それは「不誠実団交」であり、労組法第7条の「団交拒否」に該当する不当労働行為として救済命令も数多く出ている。

 近年、組合を舐めた団交が多い。もっと多くの組合が労働委員会等で、使用者に「組合憎けりゃ、団交も憎い」は通用しないことを分からせるべきだ。