「男女差別と日本の閉塞」

落語作家・笑工房代表 小林康二

 「日本の未来を垣間見たければ、夕張市を訪問するがいいだろう」

 これはロンドン『エコノミスト』が特集した「未知の領域に踏み込んだ日本」の巻頭言で、その要因を日本の生産年齢人口(15〜64歳)の急激な減少と指摘。米国国家情報会議も西側先進国経済で「急速な高齢化と人口減少で、特に不安なのが日本」(『2030年世界はこう変わる』)と危惧。今、日本中を震撼(しんかん)させている日本創成会議報告『ストップ少子化・地方元気戦略』も、就労環境の悪い地方から若年女性が流出して出生が減り、2040年までに半数の市町村が消滅と予測する。

 政府は打開のカギを「最大の潜在力」である女性の力に求め、欧米諸国に比べて低い女性就労率の向上を図ることとした。安倍首相も先の臨時国会で「女性の活躍は、社会の閉塞感を打ち破る原動力」「変革すべきは、社会の意識」と力説。

 手元に「中国電力男女差別事件・広島高裁不当判決について」(大阪弁護士会・宮地光子弁護士)がある。同期の役職昇進は男性が8割、女性1割、賃金は上位54人が男性、55人目に女性1人、76番目以降に女性という男女差別事件判決批判である。同高裁は「労基法の女性保護規定により…男女の就労状況に差が生じた」として男女差別を「正当」とした。

 母体保護規定を根拠に法の番人が男女差別を許すなら「女性が活躍する社会」も「閉塞打破」も不可能だ。「変革すべき」は広島高裁判事の意識で、最高裁がこんな時代錯誤判決を維持するとは思えない。

 頑張れ中電訴訟原告団。